aijiro / PIXTA(ピクスタ)
数年前、中国で
QRコード決済が大きく普及しているという話が話題になった。
「Alipay」(2004年設立)や
「WeChat Pay」(微信支付、2013年開始)がその中心的な存在だ。日本でも
「LINE Pay」(2014年開始)や
「楽天ペイ」(2016年開始)で、QRコード決済が導入されていった。
そして、2018年6月に
「PayPay株式会社」(ソフトバンク、ヤフー系列)が設立された。PayPayによって行われた昨年末の「100億円あげちゃうキャンペーン」で、一般の人にQRコード決済が大きく浸透し始めたように感じている。
「PayPay」は、
インド最大の決済サービス事業者である「Paytm」と連携している。Paytmの技術を利用して、営業力の強いソフトバンク、ヤフーが、日本の決済市場を握ろうとしている。Paytmは、PayPayとの提携時点で、3億人以上のユーザーと800万のオフライン加盟店を抱えていた巨大な存在だ。
前述の中国での普及や、インドでの展開を見ていると、QRコードは外国発の技術に見える。しかし、QRコード自体は
日本発祥の技術である。
私事だが、筆者はQRコード生成と解析を行うWebアプリを公開している(
QRコード生成、
QRコード解析)。2015年に公開したのだが、2018年に株式会社
デンソーウェーブの知的財産室からメールが届いた。
「QRコード」は、デンソーウェーブの登録商標なので、その旨記載して欲しいという内容だ。一時期「QRコード 生成」というキーワードで、上記ページがGoogle検索の1ページ目に表示されていた。そのためメールが来たのだ。
「QRコード」は、1994年に株式会社
デンソーが開発した。現在、その開発部門は株式会社
デンソーウェーブに分離している。デンソーウェーブでは、「QRコード」の普通名称化防止に取組んでいるそうだ。世界的に普及して、一般的に使用されるものになってしまったがゆえの苦労だと言える。