疑惑の宮崎早野論文を報じた朝日新聞に看過できない「改ざん」。不誠実な「訂正」は許されない

ジャーナリズムの放棄といえる朝日新聞の「訂正」

1.1月8日の NHK NEWS WEB 福島NEWS WEB 「被ばく量を過小評価 論文修正へ」(参照:Internet Archive)の中で早野氏の発言は次のように報じられている。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 早野名誉教授は「重大な誤りだが、計算プログラムの書き間違えによるもので意図的ではない。被ばく量が3倍になっても1年の平均では1ミリシーベルトを超えないレベルに収まると考えている。住民の同意を得ていないデータが含まれていることは知らなかったが、データを使ったことは事実で申し訳なく思う」と話しています。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※  この記事から、早野氏が「1年の平均では1ミリシーベルトを超えないレベルに収まる」と発言したことは間違いないことであることが分かる。 2.朝日新聞digitalの記事は、元の記事にあった 「年平均1ミリシーベルトを超えないレベルに収まると考えている」という早野氏の発言が、「避難指示が出されなかった地域では、長期で見れば年1ミリを超えないレベルに収まっているはずだ」という、朝日新聞が最近早野氏に確認した認識なるものに置き換えられている。 3.『年平均』は誤りでした。」と「早野氏に改めて確認したところ、『避難指示が出されなかった地域では、長期で見れば年1ミリを超えないレベルに収まっているはずだ』という認識でした。」という二つのことが 「訂正して、おわびします」に書かれている。 4.まず、最初の「『年平均』は誤りでした。」については、誰がどのようにしてどのような理由で間違えたのか何も説明されておらず、読者への説明責任が果たされていない5.もし、誤りが「(一般人の線量の上限と規定されている)年平均1ミリシーベルト」ということなのであれば、朝日新聞がつけた( )の中の注釈は確かに誤りである。そうであれば、はっきりとそのように書くべきであり、注釈部分を削除すべきである。 6.もし、「『年平均』は誤りでした。」は、早野氏の言葉を朝日新聞が間違って引用したということならば、引用を間違えたと書くべきである。ただ、NHKが早野氏の言葉として「1年の平均では」と書いているので、「年平均」あるいはそれと同じ意味の言葉を早野氏が言ったことは確かであり、朝日新聞が引用を間違える可能性はありえないと考えられる。 7.そうであれば、朝日新聞は、「早野氏に改めて確認したところ、『避難指示が出されなかった地域では、長期で見れば年1ミリを超えないレベルに収まっているはずだ』という認識でした。」という、最近知った趣旨の違う早野氏の言葉を、1月8日の日付のディジタル版の記事中の早野氏の発言に、理由を示さずに置き換えていることになる。それも上に述べたように、記事を訂正するということわりもなく置き換えている8.記事を訂正する場合は、元の記事を残し、それに訂正記事を追加し、元の記事のどこをどのように訂正するかを示すべきである。「訂正して、おわびします」には、元の記事のどこをどのように訂正するかが明記されていない9.元の記事の中の早野氏の発言は、2019年1月8日に早野氏が、「伊達市民の外部被ばく線量についての見解」(以下「見解」。参照:”黒川名誉教授緊急寄稿。疑惑の被ばく線量論文著者、早野氏による「見解」の嘘と作為を正す–HBOL”)を文部科学省の記者クラブに張り出し、また自身のツイートで紹介した内容に対する記者の質問についての回答である。元記事中の回答を別のものに置き換えたことにより、早野氏の回答の意味することが変化してしまっている。これは、早野氏の過去の発言を改竄・隠蔽し、さらに早野氏に都合の良い回答に書き換えたといわれても仕方がないことである。事実を報道することを使命とする報道機関としてあるまじき行いである。ちなみに、回答の意味がどのように変化したのかについては、次章で説明する。 10.元のディジタル版の記事には、東北大学の細井義夫教授のコメントも載っている。細井教授は、早野氏の元の記事中の発言に基づいてコメントをしており、早野氏の発言が別の趣旨の発言に差し替えられたのであれば、改めてコメントを取り直さなければならない
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「回答書き換え」で何が変わったのか?
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