そして、安くマイホームが持てるという謳い文句で、通常であればローン審査通過の難しいものに向けてもローンが組まれることになり、数年後には我々不動産執行人の“足繁く通う場所”となっていく――。
確かにマンションのローン自体を見れば月の支払いは3万円程度。一方で、当初の計画より戸数が圧倒的に減ってしまったマンモスマンション。管理費に修繕積立費、これに駐車場代と固定資産税を加えると月々5万円程度の上乗せが発生する。
このローン支払額以外の上乗せ分に思い及ばないという購入者は、「自己責任」で切り捨てられないほどに多い。
当該のマンモスマンションは、既にどれだけ値を下げても購入希望者に乏しい。
バブル期の購入者の中には住宅ローンの借換えもままならず、未だに当時の固定金利としてポピュラーだった3%超えの住宅ローン金利を支払い続けているものも少なくない。それでも売るに売れないこのマンションに住み続けるしか無いのだ。
今後さらに日本を待ち受けているのは、人口減の波と不動産の長期下降トレンド。
マンション、タワーマンション、マンモスマンション。これら集合住宅の購入を今から希望するというものには、しっかりとこのようなデメリットにも言及したうえで契約を締結させる必要があるのではないだろうか。
今回紹介したマンモスマンションの事例を単なる「バブルの残骸」と、今後発生するかも知れない問題と切り離して考えて良いものだろうか。
それは他の船から寄せられていた氷山に対する警告を「他人事」と無視し続けた、タイタニック号と同じ運命を辿ることになりはしないだろうか。
<文/ニポポ(from トンガリキッズ)>
2005年、トンガリキッズのメンバーとしてスーパーマリオブラザーズ楽曲をフィーチャーした「B-dash!」のスマッシュヒットで40万枚以上のセールスとプラチナディスクを受賞。また、北朝鮮やカルト教団施設などの潜入ルポ、昭和グッズ、珍品コレクションを披露するイベント、週刊誌やWeb媒体での執筆活動、動画配信でも精力的に活動中。
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