難航する参院選1人区の野党候補者一本化、問われる立憲民主党・枝野代表の指導力

「予備選は一度も考えていない」と語る枝野代表

 しかし枝野代表は1月30日の会見では、筆者が何度も質問をしても、事実上の予備選実施への前向きな発言を聞くことはできなかった。去年秋に見せていた意欲は消え失せてしまったのだろうか。 ――参院選1人区の候補者一本化、候補者調整ですが、滋賀選挙区をはじめ複数の候補が出ている選挙区があります。これに対して予備選などを実施して一本化する予定、考えはあるのでしょうか。去年の講演などでは「予備選をしたい」という意欲を語っていたので、今の考えをお聞かせください。 枝野代表:「予備選をしたい」という意欲を示したというのは事実誤認です。予備選をしたのと同じような意味になるような形で、フランスの1回目投票のような方式にしたり、予備選をした結果と同じように、最終的にどちらがより良いかという選択ができたりといったことをしたいという主旨で申し上げたのであって、具体的なやり方として、予備選は一度も考えていません。 ――目の前の課題として滋賀選挙区では複数の候補者が出ていて、誰が「勝てる候補」なのか絞り込まないと自民党に勝てないのではないかと思います。予備選に似たような方式で絞り込む考え、予定はあるのでしょうか。 枝野代表:他の党会派にも伺っていただけるといいと思いますが、「(予備選に似たようなことには)到底賛成できない」と報告をいただいています。これは、2党(立憲民主党と国民民主党)の問題ではないので、5党1会派で一致しないといけません。 ――枝野代表の考えをお伺いしたいのですが。 枝野代表:5党1会派が予備選(をするということ)で一致するとは思っていません。いろいろな状況を総合的に判断する中で、それに自ずから縛られていくと思います。 ――ご自身のお考えは。 枝野代表:私もそういう考えです。

枝野代表は候補者一本化への指導力を発揮できるか

玉木雄一郎代表(国民民主党)

橋下徹氏が司会をつとめるネット番組で小沢一郎代表(自由党)と三者対談をした玉木雄一郎代表(国民民主党)も、参院選での事実上の予備選実施に賛成している

 去年10月に枝野代表は「市民が主体」「地域の有権者の皆様に決めていただく」と言いながら、事実上の予備選による候補者一本化の「流れを加速する」と明言していた。しかし今年に入って、5党1会派の都合(論理)もあるのだろうか、その流れは加速しているようには見えない。滋賀県の政党関係者はこう話す。 「参院選滋賀選挙区での候補一本化については、地元の立憲民主党と国民民主党と共産党と社民党で四者協議をしていますが、市民団体が求めた嘉田氏と田島氏と佐藤氏の公開討論会開催が実現しないなど、事実上の予備選実施に向けた動きは具体化していません。  有権者が公開討論会に参加して各候補の訴えを聞いたうえで、『どの候補なら自民党現職に勝てるのか』について調査をするなどをすれば、政策論争も活発化して参院選への関心も高まります。  と同時に、市民参加で透明化したプロセスで野党統一候補が決まれば、みんなで一丸となって応援する気運も高まります。枝野代表にはぜひ、指導力を発揮して滋賀をはじめ全国各地で予備選を実現させてほしい」  たしかに、統一候補を選ぶ予備選への期待は滋賀県以外にもある。外山斎・元参院議員(宮崎選挙区)もブログで、公正・公平な選出方法である前提を強調しつつも「予備選に関してはこれまで日本の政治にはなかった試みであり、それだからこそ面白い挑戦だと感じる」と期待している。  参院選の帰趨を決するとされる、1人区での野党系候補の一本化は実現するのか。かつては「参院選1人区一本化には全力をあげる」と明言していた枝野代表の指導力と、今後の動きに注目したい。 <取材・文・撮影/横田一> ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)に編集協力。その他『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)に編集協力。その他『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
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