さらに、記者別に色分けした結果を文字数ベースで円グラフにまとめたものがこちらだ。
共同通信 小笠原記者:
黄信号57%、
青信号33%、灰色(色つけなし)9%
朝日新聞 岡村記者:
黄信号54%、
青信号37%、灰色(色つけなし)10%
東京新聞 望月記者:
黄信号65%、
青信号34%、灰色(色つけなし)1%
3記者に共通して、前置きや質問に関係する経緯の説明(
黄信号)に約6割を費やした後、約3割を質問(
青信号)に充て、言い間違いや不要な言葉(灰色)が約1割ほど混ざってしまう、という構成だ。望月記者に着目すると、黄信号が他記者より8〜11%ほど多いものの、無駄な灰色(色つけなし)はわずか1%なので、
質問はむしろ聞き取りやすいと言える。
結論として、望月記者に対する「質問に事実誤認がある」「自分の意見を延々と述べ続ける」「質問がまとまっておらず、意味がわからない」といった批判は
この日の会見では全く当てはまらない。
だが、官邸の対応はこの日も同じであった。
すなわち、望月記者の質問だけは菅長官がまともに答えず、望月記者の質問だけは司会者(内閣府職員・上村秀紀 報道室長)が妨害したのである。
本記事の分析を踏まえた上で、当日記者会見の検証動画(約2分)で改めてご確認頂きたい。
おわかり頂けただろうか?
この記者会見は異常だ。望月記者の質問には何ら問題はない。
ただ、菅官房長官と上村秀紀室長の対応が常軌を逸しているだけなのである。もちろん、この日以外の会見についても同様であり、異様なのは明らかに菅官房長官、そして政権側の対応なのだ。
<文・図版・動画作成/犬飼淳 TwitterID/
@jun21101016>
【犬飼淳氏】
サラリーマンとして勤務する傍ら、自身のnoteで政治に関するさまざまな論考を発表。党首討論での安倍首相の答弁を色付きでわかりやすく分析した「信号無視話法」などがSNSで話題に。最近は「赤黄青で国会ウォッチ」と題して、Youtube動画で国会答弁の視覚化に取り組む。
犬飼淳氏の(
note)では数多くの答弁を「信号無視話法」などを駆使して視覚化している。また、同様にYouTubeチャンネル(
日本語版/
英語版)でも国会答弁の視覚化を行い、全世界に向けて発信している