基幹統計不正という「国家の危機」に、我々国民ができることとは?

菅野完
写真/時事通信社

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公文書の改竄どころか、基幹統計での不正まで発覚。まさしく「国家の危機」だ

 子供が算数のテストで60点取って帰ってきた時ほど反応に困ることはない。確かに正解は過半数を超えている。しかし4割は間違っているわけだ。 「よく頑張った! 半分以上はできてるじゃないか」とも言えない。それはいくら何でも褒めすぎだ。「4割も落としてるじゃないか! こんなもんだめだ!」とも叱れない。あまりに苛斂誅求(かれんちゅうきゅう)であり子供の自信の芽を摘んでしまう。  しかし、こんなことで悩めるのも、対象が子供だからだろう。相手が大人ならどうだろう? 部下や同僚が作成する書類の4割に誤りがあったとしたら? あるいは取引先が出してくる見積書や請求書の4割が正確でないとなったらどうするか? 「半分以上は正解だからよく頑張ったね!」と褒める人はまずいまい。そして「4割も落としてるじゃないか! こんなもんだめだ!」と叱る人もいないだろう。「もう、君には頼まない」と、二度と相手にしなくなるはずだ。  厚労省の毎月勤労統計の不正が露見して以降、次から次へと我が国の基幹統計での不正が明らかになりつつある。総務省が基幹統計、すなわち、国政の判断材料として利用する最も重要な統計として指定する統計は55。そのうちの4割で不正が発覚したというのだから驚くしかない。 「5年間のアベノミクスにより、日本経済は、足元で28年ぶりとなる、7四半期連続プラス成長。4年連続の賃上げにより、民需主導の力強い経済成長が実現し、デフレ脱却への道筋を確実に進んでいます」  これは、昨年の施政方針演説で安倍首相が発した言葉だ。28年ぶりの経済成長、4年連続の賃上げと、安倍は我が功を誇るが、チャンチャラおかしいとはこのこと。安倍の誇る数字どれをとっても、信用の置けるものなど一切ないのである。
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近代国家の崩壊を意味する「基幹統計」不正
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