では、この我慢ストレスから脳を守るにはどうしたらいいのか。それは、混まない時間を狙い、朝早めに起きて会社の中や近くのカフェで読書や本を読むことだ。現在は東京都主催で「時差Biz」という、通勤ラッシュ回避キャンペーンも行われている。
しかし、実際に朝早く起きて出勤をするのはなかなか難しい。そこで、もっと簡単な別の解決法をご紹介する。
ハーバード大学で行われた研究によると、ある方法で人間の縮小した海馬の神経細胞を回復させることができることがわかっている。そのある方法というのは、「マインドフルネス」である。
簡単に説明すると、椅子に座り、目をつむって鼻から息を吸って、鼻から息を吐くを繰り返す。それをしながら、呼吸の流れに意識を集中するというものだ。呼吸から集中が離れて雑念が生まれたら、また、呼吸に意識を戻す。これを繰り返すことで、「今この瞬間を感じる」ことに専念する。
やっていることを知ると坐禅に近いと思うかもしれないが、その目的や中身は大きく異なる。
ここではマインドフルネスに関する詳しい解説は省くが、スティーブ・ジョブズが実践していたというのをキッカケに日本に広がって、今ではさまざまな研究が世界中で行われており、その効果も十分すぎるほど確認されている。
マインドフルネスに関する本は、これまで何冊か目を通してみたが、個人的にオススメなのは、ジャドソン・ブルワー氏の『あなたの脳は変えられる』である。まだ読まれていない場合は、ぜひ、読んでみてほしい。
満員電車や人間関係で我慢ストレスを抱えていると感じる場合は、「マインドフルネス」を実践していただきたい。「自分が悪いから」「どうしようもない」と自己完結してしまうと、我慢ストレスを発散できず、さらに蓄積させてしまう。結果としてうつ病にも繋がりかねない。
簡単な方法なので、ぜひ実践して、取り返しがつかなくなる前に、対策を取っていただきたい。
【参考資料】
『キラーストレス 心と体をどう守るか』 NHK出版新書
『パフォーマンスも上がる?出勤時の満員電車を避けている人たちの声』 Livedooor news
『あなたの脳は変えられる』 ジャドソン・ブルワー
【山本マサヤ】
心理戦略コンサルタント。MENSA会員。心理学を使って「人・企業の可能性を広げる」ためのコンサルティングやセミナーを各所で開催。これまで数百人に対して仕事やプライベートで使える心理学のテクニックについてレクチャーしてきた。また、メンタリズムという心理学とマジックを融合した心理誘導や読心術のエンターテインメントショーも行う。クラウドワークスの「トップランナー100人」、Amebaが認定する芸能人・著名インフルエンサー100人に選出。
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