ホワイトハウスへの基地建設中止署名を始めた沖縄系4世を直撃。「米軍基地は沖縄・日本・米国の人々を守らない」

浅野健一
ROBK AJIWARA 増山麗奈さん撮影 FBインタビュー

インタビューに答える、ロバート・カジワラさん

 沖縄県名護市辺野古の新基地建設中止を求める、米大統領への嘆願署名運動を呼び掛けたハワイ在住の沖縄系4世、ロバート・カジワラさん(32歳)に1月14日午後、東京都杉並区の「ライブ&イベントハウス 高円寺グレイン」で約1時間のネットインタビューを行った。  これは増山麗奈さん(世界を楽園にする総合メディアアート研究所)が企画したもので、聞き手は増山さんと、地位協定改定に取り組む田中正道さん(日米地位協定改善を求める47プロジェクト)、筆者(浅野健一)の3人。  カジワラさんが発起人になって2018年12月8日から始めたトランプ米大統領宛ての請願を募るインターネット署名(ホワイトハウスの請願サイト「We the People」)は30万人近くに達している。大統領から2月初めに返答が届く予定だ。  請願は「県民投票まで辺野古、大浦湾の埋め立てを止めてほしい」と題し、新基地建設に反対する長年にわたる県民の抗議にもかかわらず、日本政府と米軍は沖縄の民意を無視していると指摘し、トランプ大統領宛てに「工事を中止させて米国が真の偉大な国であると示してほしい」と訴えている。

沖縄、アイヌをルーツに持つ米国市民が橋渡し役に

 カジワラさんはミュージシャン、シンガーソングライターで、ハワイと沖縄の文化交流大使を務める。地元では、ハワイ先住民族の権利を守る活動もしているという。まずは、自己紹介をしてもらった。 カジワラ:私の母方の祖母は沖縄県中頭(なかがみ)郡中城(なかぐすく)村の出身で、今も多くの親類が住んでいます。中城市の海外移住者子弟研修に参加した経験もあります。私は中城にアパートも借りており、毎年何度か滞在し、辺野古での抗議活動にも何度か参加しました。これからもウチナンチュー(沖縄の人)に連帯していきたいと思っています。  父方の祖父は長野県出身ですが、先住民のアイヌ系だと聞いています。山梨県にも住んでいたらしい。残念ながら、私は北海道に行ったこともなく、アイヌの文化は継承していません。北海道にも行って、アイヌのことも知りたいと思っています。アイヌ、琉球など多文化の背景を持ってハワイに住む私は、沖縄と米国の間に橋を架けることができると思いました。  ハワイには沖縄からの移民が多く、ウチナンチューの強いコミュニティができていて、沖縄人としてのアイデンティティ(自己同一性)を大切にしている市民が多数います。みな、沖縄で起きていることに関心を持っています。特に、辺野古で起きていることには強い関心を持っています。私たちは、何らかの行動を起こそうと思っていたので、嘆願書運動を始めました。

安倍政権は沖縄人民の民主主義を蹂躙している

 辺野古で強行されている埋め立て工事について、カジワラさんは強く批判した。 カジワラ:安倍晋三首相の中央政府は、沖縄政府(沖縄県庁)が埋め立て認可を取り消したのに、埋め立てを強行しました。これは沖縄人民の民主主義を無視しただけでなく、法に明確に違反しています。沖縄の民意を無視しているだけでなく違法なことをしています。沖縄人民の民主主義的な権利を侵害しているのです。  またハワイから見ると、安倍首相はウチナンチューに対して偏見を持っていると感じています。私たちは安倍政権への信頼を失っています。「トランプ大統領に、沖縄政府と日本の中央政府との対立の間に入って調整をしてほしい」と願って、私は嘆願書名を始ました。  その結果、30万人近い署名が集まって感激しています。米政府が動いてほしい。日本の中央政府は建設工事を、少なくとも県民投票がある2月24日まで止めるべきです。 田中:署名運動を始めた動機は、沖縄の環境を守るということか、基地反対という視点のどちらなのでしょうか? カジワラ:嘆願書運動を始めたのにはたくさんの理由がありますが、日本の中央政府、とりわけ安倍首相が沖縄人民の民主主義を蹂躙していることへの憤りが最も大きいです。
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ローラさんの意見表明を批判したのはとても不思議
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