『ボヘミアン・ラプソディ』はオスカーで勝てるのか? 作品賞受賞の確率は10%以下

沢田太陽
 1月6日に発表された、アメリカの映画賞で重要なもののひとつ。「ゴールデン・グローブ」において、ここ日本でも現象的な話題を呼んでいる『ボヘミアン・ラプソディ』が作品賞を受賞したことが大きな話題を呼んでいる。

「ノミネート」さえも難しい状況からの番狂わせ

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 同アワードには2つの作品賞があるが、QUEENの音楽がウケた映画であるにも関わらず、「コメディ/ミュージカル部門」ではなく、よりシリアスな「ドラマ部門」で受賞すると言うまったく意外な結果だった。  この勝利は「サプライズ」として国際的に捉えられ、22日に発表されるアカデミー賞(以下、愛称のオスカー)でも台風の目になると予想されている。今や“ボヘラプ”との呼び名もつきつつある同作は、はたしてオスカーを受賞することができるのだろうか?  当初、『ボヘミアン・ラプソディ』は映画アワードを狙える映画だとは思われていなかった。日本の印象だと「公開の週から大絶賛で大好評」のイメージかもしれないが、公開が1週早かった欧米諸国では事前の映画評は散々だった。 「史実と違うことだらけ」「フレディ・マーキュリーのゲイとしての描き方が今ひとつ」という評価が目立ち、「せっかくの題材もヒットしないのでは」とまで言われていたほどだ。それを、実際に映画を観たファンたちが「そんなことないぞ。評論家の言っていることなんて嘘だ」と反感に火がついた形での大ヒットだったのだ。  とはいえ、それでもアワードにまで顔を出してくる映画だとは思われてはいなかった。映画批評家たちの採点の合計サイトとして有名なロッテントマトーズでの採点は62点。ほかのオスカー候補作品が軒並み80点を超えていることを考えると圧倒的に低かったためだ。  事実、アメリカでは「オスカーの前哨戦」と言える映画賞が全米各地の主要都市を中心に11月末から始まっているが、それらのノミネートで『ボヘミアン・ラプソディ』を作品賞候補として扱っているものは少なく、せいぜいフレディ役のラミ・マレックが「彼の演技なら評判はいいし、人気もあるから、主演男優賞のノミネートなら可能性あるだろう」という感じで捉えられていたくらい。そんな彼でも「せいぜい4、5番手に滑り込むくらいだろう」くらいの見られ方だった。
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前哨戦各賞の色の違い
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