この動きを察知したコンテ首相は市長らとの対話を模索しようとしたが、サルビニは「話し合いなど必要ない。(政府の政令が)気に入らないのであれば、彼らは辞任すればよい」と素っ気なく回答したという。
それに早速反論したのはナポリのルイジ・デ・マジストゥリス市長で、「辞任は彼(サルビニ)がすべきだ。憲法に背いたのは彼だ、しかも非人道的な振る舞いを続けている」、「我々の決定は民事上の不服従ではない。憲法に準じる行為だ」と反論したのである。
難民に絡んだ双方の戦いは今後も続きそうだ。なぜなら、これからも難民が後を絶つ様子はまったくないからである。
<文/白石和幸>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身