新しい元号、来るべき東京オリンピックなどなど、あと1、2年は「新時代」を意識せざるを得ないイベントが目白押しだ。これを好機とばかりに、「新しさ」だけを売りにする詐欺まがいの連中が跳梁跋扈するのだろう。
「新しいことはいいことだ」「古いことはだめなこと」と、極めて幼稚な価値判断だけで物事を推し量る連中の声が大きくなっていくに違いない。そうした連中の吹く笛に合わせて踊り、既得権益の打破だ、橋下徹の新党だ、新しい憲法だと、浮かれる連中も増えるのだろう。
だが私はそれに与しない。
なにがあろうと私は、新奇さや、費用対効果の良さなどという、子供のような議論で全てをなぎ倒していく連中には中指を立て続ける。
それが、「この世の中には、コストパフォーマンスや目新しさなどの単純な価値よりも、もっと重要なものが確かに存在する」ということに気づくことができた「大人」のとるべき態度、いや、責務だろうと信じるからだ。
<取材・文/菅野完>
すがのたもつ●本サイトの連載、「草の根保守の蠢動」をまとめた新書『
日本会議の研究』(扶桑社新書)は第一回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞読者賞に選ばれるなど世間を揺るがせた。現在、週刊SPA!にて巻頭コラム「なんでこんなにアホなのか?」好評連載中。また、メルマガ「菅野完リポート」や月刊誌「ゲゼルシャフト」(
https://sugano.shop)も注目されている