LINEチャットで現地ガイドも。28歳社長が立ち上げたスタートアップ「タビナカ」の挑戦

橋本愛喜

「どう楽しめばいいかわからない」を解決する

 バラ売り商品を好きな時に、好きなだけ手配できる、いわば、「アクティビティのビュッフェ」のような旅ができるというわけだ。現地の情報や言語には明るくないが、時間厳守で融通の利かないパッケージツアーでは物足りないと感じる旅行者に支持され、サービス利用者はこれまでに10万人を超える。  確かに、一般的なパケージツアーは、いちいち自分で旅行プランを立てる必要がなく安価に収まる反面、集合時間や集団行動などが鉄則で、解放感に浸りたいがためにやって来た旅行先で矛盾した気持ちなることがある。  とはいえ、ホテルと飛行機だけ取って自由旅をしてみると、「現地の言葉が話せない」、「どう楽しめばいいのか分からない」などで予約を諦めたり、手続きにてこずり余計な時間や労力を使ったりしてしまうのが常だ。タビナカは、こうした本来の旅のカタチを追求する旅行者にウケているのだろう。  起業当初はC to C(消費者対消費者)のビジネスモデルを取っていたが、安全性やクオリティを担保するために、現在のB to C(企業対消費者)、D to C(自社開発商品対消費者)へ移行。現地法人と顧客を繋ぐことで、より高い顧客満足度と粗利を確保することができるようになり、毎月2,000件以上の問い合わせのあるバリ島やセブ島などの人気リゾート地でも、安定したサービス提供が可能になった。  短期間にこれほどグローバルな企業を展開できたのは、三木氏の純粋でまっすぐな旅に対する思いがある。 「予約や言語に対する障壁が減ると、人は旅先でアクティブになれる。その時の雰囲気や気分、状況に合わせて楽しめることこそ、本来旅行者が望んでいる『旅』だと思うんです。もちろん国内の観光地や日々の仕事などでも楽しいと思える部分は多くありますが、ひとりでも多くの人に世界の楽しさを知ってもらいたい。そんな思いから、『地球はもっと楽しくなる』というビジョン掲げて日々活動しています」  全体の旅行者数が増える一方、様々な理由から若者の旅行離れが叫ばれる昨今。「現地の言葉が分からないから」、「怖いから」、という理由で海外に行くのを諦めるのは、あまりにももったいない。  今年4月の改正入管法の施行や、2020年の東京オリンピックなど、近い将来、日本には本格的なグローバルの波がやって来る。「地球をもっと楽しむ」ためにも、自らの足で旅に出ることで、自身の視野を広げてみるのもいいだろう。 【橋本愛喜】 フリーライター。大学卒業間際に父親の経営する零細町工場へ入社。大型自動車免許を取得し、トラックで200社以上のモノづくりの現場へ足を運ぶ。日本語教育やセミナーを通じて得た60か国4,000人以上の外国人駐在員や留学生と交流をもつ。滞在していたニューヨークや韓国との文化的差異を元に執筆中。
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