中国版シリコンバレーで行われる「世代間格差」対策とは?

山口博
中国の負の時代を経験していない世代

天安門事件等、中国の負の時代を経験していない世代が社会に台頭。彼らとどう向き合うかが課題に 写真:時事通信社

中国の「95後」世代問題から学ぶ人材マネジメント

 中国人とビジネスをする機会や、国内企業でも中国人スタッフを雇い入れる光景は昨今、ありふれたものとなった。外国人労働者の拡大で、今後もその傾向は続くだろう。だが中国では人材マネジメントにおいて、日本でも取りざたされる“ゆとり世代”と同様の問題が起きている。日中両国でコンサルタントとして活動する朱子靑氏は、このように語る。 「中国では95年生まれ以降の世代を『95後』と呼び、それ以前との世代とはまったく別ものであると言われるほどに大きな断層がある。彼らが社会人となり、色々と難しい問題が起きています」  95年は改革・解放政策が浸透し、中国が経済発展を遂げた頃。「95後」は、貧しく先進国に追いつこうともがいていた時代の中国を全く経験していない。一人っ子政策で、さらに親は共働きで祖父母に育てられるため甘やかされるばかりで苦労を知らない。中国の豊かさの恩恵を享受してきた世代であると言える。 「加えて国は経済発展し、今や都市部では海外と差がない。それ以前の世代は自国と海外の差を目の当たりにしてきましたが、『95後』は海外をすごいと思っておらず、むしろ中国が世界をリードしていると思いながら育ってきたのです」  まるで高度経済成長の恩恵を受けた日本のバブル世代の若者を彷彿とさせる。とはいえ、「95後」も優れた点を持っているという。 「柔軟で、自由で枠にはまらない点です。95後世代は前例や規則に縛られず、上司の指示や命令にも自分が納得しないと動きません。人に譲る、先輩を敬うという儒教の教えが効いていません。しかし、彼らが中国にさらなるイノベーションを実現すると思っています」
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中国の若者へ企業の動きは?
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