眼の前の「モノ」を大切にするところから、社会は変えられる

 モノには魂が宿る、のかもしれない。俺には不思議なものを見たり感じたり、という能力はない。がしかし、そうであるのではないか、と思うことは多々ある。皆さんにもそういう経験があるのでは? オーガニック・バー「たまにはTSUKIでも眺めましょ」を2018年3月に閉める際、2018年9月から時折「たまTSUKI アゲイン」としてオープンして11月に完全閉店した際、不思議な経験をした。

閉業した翌日、レジは壊れた

レジスターが置いてあった場所

14年間、レジスターが置いてあった場所

 まずは2018年3月末日で閉店した翌日と翌々日のこと。開店時から使っていたレジスターと電子レンジが、動かなくなった。  レジスターがないとお客様のお勘定(精算)に手間と時間がかかってしまう。日々や月々の売り上げの把握、さらには確定申告する際にも、手間と計算が膨大になる。当たり前だが、店になくてはならないものだった。  それが3月31日に営業が終わって、翌日4月1日に動かなくなったのである。電源が入らないレジスターの中にはいつもお釣りで用意している小銭やお札が合計3万円入っていた。必死に開けて3万円を回収した(笑)。  電子レンジは、当店が開業する以前にここで営業していた方が残していってくれたもの。電子レンジというものは、電磁波を利用して食べ物に熱を与えるが、その過程で食べ物自体の分子構造が破壊されて健康に良くない、と思っているので使用頻度は少なくしていた。  とはいえ忙しい時はどうしても使わないと早く出せないメニューもあったので、あるものは壊れるまではありがたく使わしてもらおう、という想いで使ってきた。終業2日目の4月2日、電子レンジの中を掃除しようと思ったら、動かなくなっていた。  3月に1回閉じた店だったが、9月から事情により「たまTSUKIアゲイン」と題して、週に1〜2回店を開けた。そして11月末日をもって完全閉業した。その折りにも、長年動いてきてくれた機器が動かなくなった。  まずは給湯器。そして業務用冷蔵庫。業務用冷蔵庫は「コールドテーブル」と言われているもので、調理台を兼ねている重要なものだ。彼らも、3月の閉業まで踏ん張ってくれていたのだろうが「たまTSUKIアゲイン」の3か月は耐え切れなかったのだろう。俺のために、懸命に自らの使命を果たすべく長い寿命を全うして生きてくれた。
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意思があるとしか思えない健気なモノたち
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