中年バイトが逆転のきっかけに!? 希望を捨てるなかれ

「複業」が叫ばれ収入形態を複数持つことを推奨される昨今。その名のとおり、会社員をやりつつアルバイトに身をやつす人々も……。まさに「働き方改革」の裏街道に横たわる阿鼻叫喚……しかし、そこから起業につながったり、前向きに生きる人々もいる。そんな事例を紹介。

本業を利用しバイトから起業、収入が4倍増しに

 副業アルバイトが起業に繋がった稀有な例がある。清掃会社を経営して2年の岡島秀子さん(仮名・45歳)の前職は不動産営業。手取り17万円だった給料は勤務していた15年間に25万円まで上がったが、親の借金数千万円を背負い困窮。夜にホステスをするも、睡眠不足で本業に支障をきたした。  そんなある日、内見で立ち寄ったマンションの清掃スタッフと雑談したのをきっかけに、そこでアルバイトを始めることになったのが3年半前。その清掃会社はアルバイトでも、自分で契約を取ると独自にチームを組んで自由に仕事ができるというシステムだった。幸い岡島さんは本業を介し、マンション管理人や所有者経由で清掃の仕事をいくつか契約できた。 「部屋の契約は取れないのに、なぜか清掃の仕事は取れたんですよね」  また、その清掃会社は富裕層宅やゴミ屋敷などの定期清掃なども手掛けており、その仕事も本業を通じてゲット。そうして1年ほどで10件余りの定期契約を成立させ、リーダーとして数人のスタッフのシフトを組むまでになった。そうなると、自分がすべての現場に行く必要がなくなり、肉体労働をせず収入に繋がった。
岡島さん

岡島さんは「何に繋がるかわからないので、皆さんも腐らず頑張ってほしい」とエール(?)を送る

「その頃には、月30万円ほどになり会社の給料を上回っていました」  その半年後に起業。現在は都内一等地のマンションやオフィスビル一棟の清掃なども手掛け月収は100万円ほどになった。親の借金返済もあと3年ほどで終わる予定だという。
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中年副業バイトは決して悲惨なだけではない!
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