LGBTQ、#MeTooやダイバーシティ ’18年を象徴する映画5選

ヒーロー映画や古典のリメイクも世相を反映

『ブラックパンサー』:ブラック・ライヴズ・マター  マーベル・シネマティック・ユニバースで初めて(*厳密に言うと『ブレイド』もマーベルなので)黒人スーパーヒーローが主人公になっただけにとどまらず、‘18年の全世界興行収入で第1位となった記念すべき作品。 「黒人にスーパーマン役を演じることはできない」という積年の定説を、黒人の魂の故郷であるアフリカの文化と美学にまで遡り、総合アートの結晶を作り上げた。そういった意味では黒人映画史の金字塔とも言える作品。  本作を筆頭に、‘18年のハリウッドでは黒人人種問題の巨匠スパイク・リー久々の傑作となった『ブラック・クランズマン』、白人警官の黒人青年殺害問題を映画化した『The Hate U Give』など、黒人の意識を掲揚する作品が多く公開された。 【関連ニュース】  3月にカリフォルニア州で黒人男性が射殺される事件が発生。さらに事件に対する抗議デモで現場にいたパトカーがひき逃げ事件を起こすなど、人種差別が問題に。日本では年明け早々にバラエティ番組での黒塗り問題が議論を呼んだ。 『アリー/スター誕生』:ダイバーシティ  ‘19年のオスカーで中心的存在になること確実な、レディ・ガガ主演の映画。過去にジュディ・ガーランドやバーブラ・ストライザンド主演で3度も映画化された古典的名作だが、今回のリストにあえて名を連ねているのは、これまでになかった時代的要素が描かれているため。  元々は女性がスターとして自立し出世するための映画だが、今作ではLGBTや黒人、さらにはハリウッドのリベラル化で置いてけぼりになりそうなカントリー・ミュージックを好む保守層まで取り込まれている。この包括的多様性が、歴史的作品に新たな意義と息吹を吹き込んだ。 【関連ニュース】  ビジネスの世界では多様性を取り入れたマネジメントアプローチを指す。‘18年も多くの企業がダイバーシティを掲げていたが、まだまだ課題は多い。 <取材・文/沢田太陽>
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