「IT重説」普及により、海外投資家の不動産買い占めが加速する!?

東京五輪後も、海外投資家による日本の不動産ブームは続く?

 海外投資家による日本の不動産投資ブーム、そして今後の「IT重説」が実現することによるインバウンド投資の可能性を予見するような動きも現れ始めています。  中古不動産のポータルサービス「Renosy」の開発・運営を行う株式会社GA technologies(以下、ジーエーテクノロジーズ)は8月8日、アジア地域を中心にインバウンド不動産賃貸管理事業大手のウェルスパーク株式会社(東京都渋谷区)と業務提携契約を締結したと発表しました。 「海外事業展開の背景には、アジア人投資家による日本不動産への投資需要の増加がある。2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催や国内各地でのIR(統合型リゾート)施設の開業などを見据え、日本の不動産市場に関心を示すアジア人投資家が増えている。  特に中国市場でその傾向は顕著で、中国不動産市場調査会社「房天下」が公表した「2016年中国人による海外不動産購入トレンド報告」の中国人主要不動産投資国ランキングで日本は4位。日本の不動産・土地権利が無期限(中国は最長70年)であること、世界の大都市に比べ、日本の主要都市の不動産商品が高品質・低価格なことなどが影響しているとされる。」  J-REITも海外投資家が購入していますが、今後は中国人による爆買い以外にも、すでに海外投資家による中古マンション1棟買いなどが始まっています。  海外投資家は、世界中で不動産投資をしていますが、彼らにとって東京をはじめとする日本の大都市圏は魅力的な市場です。  そこにきて2020年の東京オリンピックはまさに日本の不動産に関心を集めるひとつのきっかけとなっています。  東京圏への人口一極集中などの予測から、東京オリンピック後の2020年以降も、東京に関しては不動産価格や賃料が大幅に下落するということは考えにくいでしょう。  海外において日本の新幹線は有名ですが、交通網をはじめとするインフラの整備、治安の良さや環境面などが外国に比べて秀でています。  経済成長率は低迷しているものの、経済自体は安定しており、政治も含めて諸外国に比べ、カントリーリスクが低いため高い評価につながっているといえます。  外国人が不動産を購入する際のローンの整備や上記IT重説をはじめとする制度上の緩和なども進められつつあり、今後の東京をはじめとする日本の不動産市場への海外投資家の参入は増えていくと予測しています。  ここからは個人的感想ですが、筆者は不動産市場は、本来、内需による発展が理想であると考えます。  しかし、現状、水源などの土地が海外資本により購入されていますし、都心のマンションなども同様です。  それは、日本の不動産が国籍を有しない者への販売に関して制限を設けていないということもあります。その点については、一抹の不安も感じています。 「IT重説」の実現は、日本の不動産市場にとって過渡期になると言えるでしょう。 【TOMOHIRO】 資産運用ジャーナリスト。ブログ「中古ワンルーム・新築ワンルーム 不動産投資の教科書」を運営
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