不誠実な「ご飯論法」が横行した年。来年は違う意味の「ご飯論法」にしよう

菅野完
写真/時事通信社

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2019年は「みんなでご飯食べながら、ワイワイ話し合う」年にしよう

 2018年の流行語大賞には、「ご飯論法」がノミネートされていた。  惜しくも大賞の受賞は逃したものの、「ご飯論法」の一言ほど、嘘と欺瞞に満ち溢れた平成30年を象徴する言葉もないだろう。  この言葉はもっぱら国会における政府・与党の不誠実な対応と答弁を表現する言葉だ。 「ご飯論法」を広く世に知らしめた、上西充子・法政大キャリアデザイン学部教授は「朝ごはん=朝食全般について聞かれているのに、あたかも『ご飯(白米)』について問われているかのように、勝手に論点ずらしをして、『ご飯は食べていません』と答弁し、実際に「朝ごはんを食べたか」については答えず、相手に『朝ごはんを食べていなかったのか』と思わせようとする答弁方法のこと」と解説する。  近代国家として失格としかいいようがない森友問題での公文書改竄。立法根拠の調査票そのものの偽造が判明した「働き方改革」関連法案。西日本大水害発生当夜に酒盛りをするという為政者としてあるまじき振る舞い。法案としての内実などないのに、可決だけを急いだ入管法改正など、この1年、政府与党はあらゆる問題を「ご飯論法」で押し切ってしまった。  怖いのはこの風潮が国会の中だけでなく、世の中にも浸み出してしまっていることだ。  強いものが弱いものの主張や疑義に耳を傾けることなく、詐術にも似た対応で足蹴にする。それどころではなく、異議を申し立てるものや既定路線に疑義を挟むものを「空気が読めぬやつ」とバカにし冷笑をもって遇し、一切耳を傾けることなく、はねのける。以前であれば、傲慢で不遜だと評されたこうした対応が、いまや「うるさいやつを黙らせる賢いやり方」と持て囃されてさえいないか。
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世の中は多様性で満ち溢れている
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