大局的に見れば豪ドルが下がり続けるのはわかった。とはいえ、豪ドルは高金利通貨でもある。売り一辺倒で入るのは正直怖い。西原氏が指摘するように、’19年に米国の利上げが終焉するようであれば、豪ドルの反発を誘引する局面もあるかもしれない。
「僕はグルトレという手法で、豪ドル/円をトレードしています。豪ドルは値動きが予想しやすいので、統計を駆使してサポートを引き、ローリスクで取引するのが1番です」
こう語るのは、個人投資家でグルトレという手法を編み出し、今注目を集めている川崎ドルえもん氏だ。豪ドルは値動きが予想しやすいため、川崎氏の編み出した手法に適しているという。
「長期で見れば、豪ドル/円は30年間で55円から108円のレンジでしか動いていません。また、グルトレでは売買回数が増えるため、コストも重要。『みんなのFX』では豪ドル/円のスワップ・スプレッドがゼロなので、トラリピやグルトレに適しているんです」
《過去30年間の豪ドル/円のレンジ》豪ドル/円は過去30年間で55円~108円の間でしか推移していない。ほかの通貨と比べてもレンジが一定なので、トラリピでトレードはしやすい
チャートを見れば、確かに30年間規則正しく値動きしている。実際にはどのように注文していくのだろうか。
「イフダン注文で、買いと売りの両方を10pips感覚でたくさん入れるんです(子本体)。しかし、これだけだと、トラリピを両建てで使うのと変わらない。トラリピはレンジ相場で利益を出すやり方ですが、相場は必ず動く。そのときの損失を解消するために、グルトレではサポートのポジションを指値で注文するんです」
《グルトレの基本原理》イフダン注文を買いと売りの両方に入れ、サポートで方向性を決めるのがグルトレ。サポートにより利益を増大させ、損失が減少する
グルトレでは動いたときの救済システムとして、「サポート」のポジションがある。サポートはイフダン注文と同じ量だけのポジション量に設定する。そうすると、上昇したとき、売りのイフダン注文は含み損となるが、同時にサポートを買いで持っていれば、売りのイフダン注文の含み損が相殺されるという仕組みだ。
「メインの子本体を10pipsずつずらして注文し、1円幅で10個の注文を入れます。それをロングとショートの両方に注文を入れ、合計20個を注文。サポートはロングかショートに1万通貨単位で注文するので、サポートの向きで自分のポジションが決まります。自分がサポートを入れた方向に値が動くか、そのレンジ内で値が動けば利益が生まれるという手法です」
この手法の長所は自分のポジションと逆に値動きしても、含み損が解消されやすいことにある。
《グルトレの効果》レンジが基本の豪ドルではグルトレが有効。特に売りポジションでのスワップ・スプレッドがない「みんなのFX」ではコストも抑えられて儲けやすい
「ロングポジションだったとき、下落すればサポートと買いのイフダン注文が両方とも含み損になります。その場合でも、イフダン注文は買い下がっていく=ナンピン買いのため、下げ幅を全戻ししなくとも、3分の2の価格まで戻せれば含み損が解消されます。例えばグルトレを買いで運用して、100円から95円まで下がると含み損が発生。しかしそれが98円まで戻れば、含み損は解消されるという仕組みです」