2019年の株式市場は「大きな転換点」に。ネガティブ材料多し

ローリスク・ミディアムリターンの投資法が吉

 このように今年の世界株式市場は昨年以上に不安定であることが予想され、従来の投資法が通用しなくなる可能性も十分ある。  予測のつかない相場こそローリスク・ミディアムリターンで臨むべきだが、三橋氏が行なっている「石橋叩き投資」も参考の一つ。三橋氏自身、株式投資を始めてすぐに500万円の損失を出し、その後6年間で手堅く約1800万円の利益を上げた手法である。  具体的には日経225銘柄の中からメガバンクや医薬業界など配当率が高く、一定の周期性がある銘柄を選び出し、適切に売買するだけ。日経225銘柄は株価も安定しており、景気に連動しやすく、天災や事件以外では暴落リスクも限定的。元本を減らさない代わりに、ある程度の利益確保が見込めるため、1株3000円以下の銘柄を100株単位など分散して保持し、それぞれ1割程度プラスになったところで利益確定をする。 「私の場合、売却益が約1万円~1万5000円得られると見込んだところで利益確定しています。下がっても配当金が得られるし、利息がほとんど付かない普通預金よりも確実に得です」  最大のポイントは購入タイミング。一般的には大発会から一週間ほど上がり続け、2月にかけて安値圏となる傾向があるため、その時期に買い、年末の高値で売るのが基本だ。しかし、’18年はそのアノマリーが崩れたことも念頭に置くべきである。 「日経平均の過去10年分の動きをみると、2月まで下落した後は2月下旬~3月中頃から上向きに転じ、5月頃まで上昇します。3月末から4月初めにかけて少し下落するのは、配当落ちの影響。その後、6月から9月頃まで低調で10月頃から少しずつ上昇し、年末高となる。しかし昨年は10月がピークになってしまったので見当がつけにくい」。  ’19年もまだまだ波乱が潜む世界経済と株式市場。来年の投資家に求められるのは、堅実に足場を固めることかもしれない。 《2019年株式相場の周辺状況》 ●ポジティブ要素 東京五輪を控えた、短期的な景気回復 ●ネガティブ要素 米中貿易摩擦の継続/米中日の経済成長鈍化/米国政策金利上昇/消費税10%引き上げ
三橋規宏氏

三橋規宏氏

【三橋規宏氏】 ’40年生まれ、千葉商科大学政策情報学部教授。日本経済新聞ロンドン支局長、日経ビジネス編集長、環境を考える経済人の会21事務局長等を歴任 ― SPA! BUSINESS JOURNAL ―
経済ジャーナリスト。1964年、日本経済新聞社入社。ロンドン支局長、日経ビジネス編集長、論説副主幹などを経て、千葉商科大学政策情報学部教授。2010年から名誉教授。専門は日本経済論、環境経済学。編著書に『新・日本経済入門』(編著、日本経済新聞出版社)『環境が大学を元気にする』(海象社)など多数。『石橋をたたいて渡るネット株投資術』(海象社)を8月9日に上梓。
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