米国を切って、中国との「同盟」に鞍替えするパナマ

パナマの中国接近に困惑する米国

 中国によって、パナマが西半球において経済的に影響力を持つように発展していることを目のあたりにして米国の官僚たちは困惑しているという。今年1月には在パナマ米大使ジョン・フィーリーがトランプ大統領政権下のもとでは働けないとして辞任するという出来事があった。  彼は正に中国のパナマ政府における影響力の増大を目のあたりにして、それを国務省に訴えてCIAとFBIの分析調査官の派遣を要請したほどであった。その調査結果をトランプ大統領に直接伝えるように要請したという。  ジョン・フィーリーは「中国が今(パナマの発展の可能性を)見ているのは我々が20世紀にそれを見ていたのと同じだ」と述べている。彼はパナマ政府が嘗ての米軍基地があった場所を中国大使館の建設の為に譲ろうとしていたことを知った時には、パナマ政府にそれを激しく抗議したそうだ。(参照:「Univision Noticias」)  結局、昨年12月末にフィーリーは、それまでのトランプ政権の中国の中米進出の前に対応の鈍さや、その根底に中米やアフリカからの移民に対する侮辱が垣間見える点に異を唱えて国務省に辞任を表明したという。  その背景には、彼は35年の外交キャリアで2016年2月にパナマ大使として就任していた。彼の在任中にパナマが台湾と断交して中国と国交を結ぶという米国にとって屈辱的な出来事も経験したのであった。(参照:「EFE」)  10月にはマイク・ポンぺオ国務長官が移民と麻薬密輸問題でパナマを訪問してバレラ大統領と会談をもったが、それは同時に中国の動きを牽制するためのものであった。  両者の会談でポンぺオは「中国のパナマへの投資はパナマの為ではなく中国の為のものだ」と指摘したが、それに対してバレラは「我が国は主権を持ち、それに値し、また世界に開けた国だ」と答えたそうだ。(参照:「Nacion」、「HispanTV」)
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中国の影響力増す中米
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