入管法衆院強行採決前日の首相・法相答弁の誠実さを可視化。論点ずらしと質問無視が明らかに

開き直りの自己正当化。安倍総理の「厚顔無恥話法」

 動画は3分4秒〜。 「今ですね、え、あの、すみません、答弁してる最中にですね、質問されたのに止めて下さいと言うのはですね、どうかと、思うわけですが。今、あのー、まさに、まさに答弁の途中で、えー、ございます」(※赤信号)  1段落目、あたかも山尾議員が失礼なことを言っているかのように誤解させる内容をあえて発言している。これはまさに厚顔無恥話法(ご飯論法と同様、上西充子教授が考案)に当てはまる。自分に非があるのに相手に責任転嫁するような発言を行い、そこだけ切り取った映像がテレビで流されることで相手の印象を悪くする。言ったもの勝ちの印象操作である。  また、この時、安倍総理はかなりのオーバーリアクションで発言しており、テレビカメラを意識しているようにも見受けられる。その様子は動画でぜひご確認頂きたい。 「それは、それはですね、えー、今、様々な形でですね、色々な事業が成り立っているわけでございますが、なかなか、その作業自体にですね、その作業から、どんどんステップアップして行く見込みのないものについては、たとえばですね、えー、アルバイトという形でですね、様々な人が関わっているものも沢山あるわけでございまして、そうした形でですね、補充されていくということもあるんだろうと言う風に考えております」(※赤信号)  そして2段落目、またも論点のすり替えを行っている。 山尾議員の質問:単純労働の「担い手」 安倍総理の答弁:単純労働の「現状」  この答弁の間、山尾議員は野田聖子委員長に対して「委員長、もう聞いてないことを答えています」等と複数回にわたって抗議しているが、委員長はこの抗議を黙殺し、安倍総理に質問と関係ない答弁を続けさせている。  質問に何ら答えられなかった安倍総理に対して、山尾議員は最後に以下のように総括している。 「つまりですね、諸悪の根源は単純労働なんて割り切れる仕事は無いんだけど『単純労働は入れないから、そんなに拡大しません』とこういう風に言いたいがために例示を一つも挙げられないような幻の単純労働なるカテゴリーを無理に作るから、こういう苦しい答弁になるんじゃないですか」  実に的を射た指摘だ。  これまでの分析でお見せした通り、論点のすり替えがあった際に山尾議員はすぐに指摘して委員長にも抗議をするも、答弁者にも委員長にも黙殺されて質疑時間を無駄にされている。  また、安倍総理に至っては、その講義の声を逆手にとって「厚顔無恥話法」を披露している。この様子は文字を読むだけでは伝わらないため、ぜひ上記のYoutube動画でご確認頂きたい。 「野党は反対ばかり」という意見は果たして正しいのか、自ずと答えは見えるはずだ。 <文・図版・動画作成/犬飼淳 TwitterID/@jun21101016> 【犬飼淳氏】 サラリーマンとして勤務する傍ら、自身のnoteで政治に関するさまざまな論考を発表。党首討論での安倍首相の答弁を色付きでわかりやすく分析した「信号無視話法」などがSNSで話題に。最近は「赤黄青で国会ウォッチ」と題して、Youtube動画で国会答弁の視覚化に取り組む。  犬飼淳氏の(note)では数多くの答弁を「信号無視話法」などを駆使して視覚化している。また、同様にYouTubeチャンネル(日本語版英語版)でも国会答弁の視覚化を行い、全世界に向けて発信している
TwitterID/@jun21101016 いぬかいじゅん●サラリーマンとして勤務する傍ら、自身のnoteで政治に関するさまざまな論考を発表。党首討論での安倍首相の答弁を色付きでわかりやすく分析した「信号無視話法」などがSNSで話題に。noteのサークルでは読者からのフィードバックや分析のリクエストを受け付け、読者との交流を図っている。また、日英仏3ヶ国語のYouTubeチャンネル(日本語版/ 英語版/ 仏語版)で国会答弁の視覚化を全世界に発信している。
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