なぜ日本の家は寒いのか? いまこそやるべきコスパ最高の寒さ対策とは

高橋真樹

家が寒くならないための、内窓設置のポイントとは

マンションに設置されたペアガラスの内窓

脱衣所に設置された樹脂サッシの内窓

 ではどうすれば良いのか? アルミサッシの弱点がわかっても、いま住んでいる住宅の既存の窓すべてを交換するのは、コストの問題もあって簡単ではない。またマンションや賃貸住宅の場合は、そもそも窓の交換自体が不可能だ。そこで、コストも安く工事も簡単にできる「内窓」の出番になる。
 内窓を選ぶポイントは4つ。まず樹脂性のサッシにすること。次にガラスは1枚ではなく、間に空気層を挟んだ2枚(ペアガラス)にすることだ。これでもともとあった窓ガラスと合わせると合計3枚になり、断熱効果は高まる。

 3つめとして、普通のガラスではなく、ガラスに薄い金属膜を蒸着して断熱性能を上げた「LOW-E」タイプにすることも推奨したい。そして最後に、2枚のガラスの間に空気よりも熱伝導率の低いアルゴンガスが入っている製品を選ぼう。「LOW-Eのアルゴンガス入り」にすることで、見た目では通常のペアガラスと同じでも、断熱効果には圧倒的な差が出てくる。

 内窓を設置する優先順位についても工夫したい。もちろん家中すべての窓に設置するのがベストだが一戸建ての場合は窓の面積も多く、コストが限られている場合はまずは一部から始めるという方法もある。

内窓を設置する前は、窓が最も温度が低い

内窓を設置する前は、窓が最も温度が低い

樹脂サッシの内窓を設置すると、窓際の寒さがなくなった

樹脂サッシの内窓を設置すると、窓際の寒さがなくなった

 最も優先すべきなのは、冷気が吹き込む北側の窓だ。特に脱衣所や浴室、トイレは、温度が低いとヒートショックなどの健康リスクが高まるため、特に重視したい。筆者が以前住んでいた築40年の木造住宅では、脱衣所が非常に寒かったため内窓を設置した。すると、窓からの寒さは大幅に改善した。
 窓の数が限られているマンションでは、低コストで抜群の効果を得ることができるため、極力すべての窓に設置するのが得策だ。なお、内窓設置は省エネになるため数多く設置すれば国から補助金が出る場合もある。設置業者に見積もりをする際、問い合わせてみてほしい。

 では、賃貸住宅の場合はどうだろうか? 業者に工事を依頼して設置する正規の窓は難しいが、ホームセンターなどで販売している簡易式の内窓キットを使うという手がある。

 正規の窓ほどの性能はなくても、格安で、しかもDIYで簡単に組み立てることが可能だ。窓はプラスチック製になるが、あるとないとでは効果がまったく違ってくる。工夫次第では、自作することもできるだろう。

「家が寒い」と嘆く前に、この冬はぜひ「内窓」設置で寒さを乗り切ってみてはどうだろうか?

◆ガマンしない省エネ 第9回

<文/高橋真樹>
ノンフィクションライター、放送大学非常勤講師。環境・エネルギー問題など持続可能性をテーマに、国内外を精力的に取材。2017年より取材の過程で出会ったエコハウスに暮らし始める。自然エネルギーによるまちづくりを描いたドキュメンタリー映画『おだやかな革命』(渡辺智史監督・2018年公開)ではアドバイザーを務める。著書に『ご当地電力はじめました!』(岩波ジュニア新書)『ぼくの村は壁で囲まれた−パレスチナに生きる子どもたち』(現代書館)ほか多数。

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