「イージスアショア問題」が、次期参院選で与野党激突の焦点になる!?

秋田と山口ではイージスアショアが争点に

 11月24日、秋田市で開かれた立憲民主党の秋田県連キックオフ大会で、枝野幸男・立憲民主党代表はこう言い切った。
立憲民主党秋田県連キックオフ大会で挨拶をする枝野代表

立憲民主党の秋田県連キックオフ大会で挨拶をする枝野代表

「参院選では秋田や山口でイージスアショアが争点になるだろう」  日本がアメリカの言われるがままに買う羽目になった地上配備型ミサイル迎撃システム「イージスアショア」に対して、秋田県民が「NO!」を突きつけようとし始めた。来年夏の参院選秋田選挙区(一人区)に配備反対派の候補を擁立、賛成派の自民党現職の中泉松司参院議員に勝利しようとしているのだ。  候補擁立に尽力しているのが立憲民主党会派の寺田学衆院議員(東北比例)で、県連キックオフ大会直前に同じ会場で開かれた寺田氏の国政報告会は「イージスアショア配備イエスかノーかを問う“参院選準備会”」のような様相を呈していた。  まず参院選候補として白羽の矢が立ったばかりの沼谷純県議が挨拶。続いて『東京新聞』の半田滋・編集兼論説委員(防衛省担当)がイージスアショアについて講演し、必要性への疑問や電磁波による健康被害の恐れやドクターヘリ航行制限の弊害など数々の問題点を指摘した。これを受けて寺田氏は「保革を超えて反対すべき地域の問題」と強調、「沼谷さん、やるべえ」と言いながら次のような出馬要請をした。 「オール沖縄」で辺野古新基地阻止を訴えた翁長雄志前知事を彷彿させる寺田氏の訴えは、「オール秋田」方式によるイージスアショア配備阻止の呼び掛けでもあった。 「『イージス艦で迎撃するのに十分な数のミサイルがそろっていない』と言われています。『差し迫った脅威があるので(ミサイルの)弾を買います』という話であれば、論理的には整合性が多少はあるのですが、『(北朝鮮の脅威が)差し迫っているけれども5年後に稼動するものを買う』というのです。『いま米朝関係が良くなって改善の兆しが見えてきた』と聞くと、(防衛省は)『危険性はまだ残っているので安心してはならない』という理由で数千億円の金をかけて導入をする。  私が悔しいのは、『国にとって必要なのだ』と安倍総理や防衛大臣が言っていますが、片やトランプ大統領はテレビの前で『シンゾー安倍がアメリカから武器を一杯買ってくれるのだよ。日米の中で貿易摩擦があるから武器を一杯買ってくれるのだよ』と全世界中に向かって言っているのです。  政府は『必要な武器を買うのだ』と言いますが、どういう角度から見ても合理的ではない。(アメリカとの)お付き合いで買わないといけないものを、この我々が住んでいる秋田に配備をすることに私はどうしても整合性は取れない。この議論は右とか左とかでも、リベラルでも保守でもない。我々が住んでいる目の前のこの地域に、これから何十年間も電磁波を出し、そしてミサイルの標的になるような基地を造ること自体、私は罷り通らぬと思うのです。 『理屈をこねくり回してもイージスアショアをどうしても買いたい』というのなら、それでもいいですよ。ただ、寄りによって我々のあんな目の前に置く必要はないのではないのですか。そして(稼動するのは)5年後なのですから、もっと時間をかける道はあるでしょう。  秋田に生まれ育った人間として、こういう扱いを受けるのは本当に悔しいのです。我々が育ってきた秋田は日本の倉庫でも何でもないのです。現に我々が住んでいて、子どもたちが生まれて住んでいる場所に、大した理由も説明もなく置かれることに私は強い憤りを感じますし、そのことに声を上げる与党議員がゼロであることに本当に情けなくなります。  野呂田芳成先生という元防衛庁長官、自民党の大重鎮ですが、以前、地元の魁新聞のインタビューに対して『地元としっかりと協議をしてやるべきなのだ。そういうことを忘れているのはけしからん!』というようなお話をされていました。昔の自民党はそうでした。もちろん国が決めた方向、安倍総理が決めた方向はいろいろあるのかも知れませんが、地元から選出された(国会)議員がそれに対して地元の声をしっかりと伝えないと、国の言いなりになって『秋田は何も言わないから』と様々なものを押し付けられるようになったら、この秋田はもっともっと厳しい環境になると思っているのです」(寺田氏)
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焦点は「配備反対」で野党結集
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