ZARA創業者、Amazon本社の大家に!? ライバルが入る不動産を買うオルテガ

白石和幸

photo by Joe Mabel via Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

 アパレルZARAを傘下に収めるグループ企業インディテックス(Inditex)の創業者アマンシオ・オルテガは、彼の不動産事業ポンテガデア(Pontegadea Inmobiliaria)にも積極的に取り組んでいることはヨーロッパで良く知られている。インディテックスの最大の株主ということで、その配当金を不動産に投資しているのだ。更に、そこで上げた利益の一部をアマンシオ・オルテガ基金に充てて医学の発展や青少年の教育レベルの向上に貢献している。
 今月20日、他紙に先駆けてスペイン経済専門紙『CINCO DÍAS』(電子版)がアマゾンが米国シアトルに本社を構えているビルを含めた40近くある建物が所在しているキャンパス「トゥロイ・ブロック(Troy Block)」をポンテガデアが7億4000万から7億5000万ドル(814-825億円)で買収することを報じた。現在の持ち主は不動産会社USAA Real Estateだが、Amazonが本社オフィスとしてリースしている一角を含むのだ。即ち、アマゾン(ジェフ・ベゾス)が賃貸料をポンテガデア(アマンシオ・オルテガ)に払うことになるのだ。

これまでもライバル店の入る建物を買収していたオルテガ

 オルテガはインディテックスのライバルが店舗を構えている建物を買収する傾向があるようだ。ZARAを市場で苦戦させているアイルランド生まれの激安チェーンショップPRIMARKがロンドンそしてマドリードで大型店舗を構えているが、その建物そのものをオルテガは買収している。今回もネット販売でインディテックスのライバルとなっているアマゾンの本社の建物をオルテガは自分のものにしようというプランだ。

 ポンテガデアの昨年度の資産は290億2800万ユーロ(3兆7700億円)、純資産は210億600万ユーロ(2兆7300億円)、そして、経常利益は14億7500万ユーロ(1920億円)と計上されている。2016年の経常利益は16億9600万ユーロ(2200億円)で、2017年が13%減収だった。(参照:「El Pais」)

 オルテガは英国とスペインを中心に主にビジネスビルや由緒ある建物を買収している。一番最近の例では、今年7月にロンドンでスポティファイ、資生堂、A.T.カーニー、中国石油天然気、エコノミスト、コンデナストといった著名企業がオフィスを構えているビル、アデルフィー(Adelphi)を6億ポンド(865億円)で買収している。
 英国でのこれまでの買収に充てた投資額は26億ユーロ(3380億円)にも上る。(参照:「CINCO DÍAS」)

 また、米国へも積極的に不動産事業を展開するようになって、マイアミ、サンフランシスコ、ニューヨーク、ワシントン、シカゴ、ボストン、ロサンジェルスなどで彼が買収した建物が存在するようになっている。(参照:「CINCO DÍAS」)

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スペイン国内の家賃収入だけで140億円
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