業績不振のRIZAP傘下で、ジーンズメイトが赤字体質に「劇的にコミット」できたワケ

ジーンズメイト

業績の立て直しに成功しつつあるジーンズメイト。果たしてそのワケとは……?

「結果にコミット」のCMで有名となったスポーツジム「RIZAP」(ライザップ、本社:新宿区)の業績が振るわない。  11月14日に発表した2019年3月期通期の業績予想では、純損益が70億円の赤字(従来予想は159億円の黒字)に、営業損益が33億円の赤字(同・230億円の黒字)に転落する見通しを発表。株価は一時ストップ安となった。  積極的なM&Aにより事業規模を拡大してきた同社であったが、今後は新たなM&Aを凍結するとともに、創業者である瀬戸健社長は1年間に亘って役員報酬を自主返上することも発表した。  しかし、そうしたなかで同社の傘下入り後に業績の立て直しに成功しつつある企業も少なくない。その1つがジーンズを中心にカジュアル衣料を販売する「ジーンズメイト」である。

「ジーンズメイト」、RIZAPの「買収物件」での成功例に!?

 RIZAPは2003年4月に健康食品等の通信販売を手がける「健康コーポレーション」として設立。その後、スポーツジム「RIZAP」事業で成功をおさめ、2016年には商号を「RIZAPグループ」に変更している。  同社がM&Aに注力し始めたのはその頃であり、僅か数年のあいだに大手雑貨店「パスポート」(現・ハピンズ)、百貨店で婦人服店を展開する「馬里邑」、下着販売の「マルコ」、複合書店を展開する「WonderGOO」、スポーツ用品店「B&D」、シネコンやアミューズメント施設を展開する「スガイディノス」、フリーペーパーの「リビング新聞」「ぱど」など、様々な業種の企業を傘下に収めることに成功した。  「そのうち系列企業だけでショッピングセンターが作れるのではないか」とも思わせるほどの規模へと「膨張」したRIZAPグループであるが、いまだに買収企業の多くが経営課題を抱えており、傘下に収めた企業の再生は道半ばといえる状況にある。
WonderGOO

複合書店を展開し、かつては全国各地に店舗網を擁していた「WonderGOO」もRIZAPグループとなった

 そうした企業のなかでも大きな存在感を持っているのが、2017年2月にRIZAPグループ傘下となったアパレル大手の「ジーンズメイト」だ。  RIZAPグループの多角化戦略の過程でなぜジーンズメイトが業績を建て直せたのか――それにはこんな“ワケ”があった。
次のページ
ワケあり物件だったジーンズメイト
1
2
3
4
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会