極右のブラジル新大統領に中国が懸念を表明。貿易戦争を警戒か
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ボルソナロが如何に中国を敬遠しているかという証拠に、今年2月、大統領候補として台湾を訪問しているのである。ブラジルは1970年代に中国と国交を結んでおり、ブラジルの大統領候補者が台湾を訪問するというのは初めてのケースだった。その縁もあって、ボルソナロが大統領に選らばれて直ぐの10月30日にブラジルにある台北事務所が台湾政府からの祝辞を彼に送っている。
また、副大統領を務めることになったハミルトン・モウランは元将軍、あと閣僚にも3人の軍人が加わることはほぼ確実とされている。伝統的にブラジルの軍人は親米派であるから、中国との関係を今以上に深めることは難しいように思える。
それに対して、中国政府の機関紙、環球時報の英字版「Global Times」がその同じ日の記事に「(大統領に)就任してからも台湾に関係しての基本的原則を無視し続けるのであれば、ブラジルは多大の損出を招くことになろう」と言及し、「ラテンアメリカの多くの国が台湾から離れたように、台湾はブラジルにより以上の利益をもたらすことはない。ボルソナロとそのチームはそれを認識しておくべきである」と付言して報じたという。(参照:ロイター)
現在、台湾が公式に外交を結んでいる国は17か国しかない。南米だとブラジルの隣国パラグアイだけが台湾と今も外交関係を維持しているだけだ。
ブラジルの大統領に来年1月から極右のジャイル・ボルソナロが就任することに中国は非常に懸念を抱いているという。ボルソナロがトランプ米大統領のブラジル版だと見られていることから、トランプと同じようにボルソナロも中国に対して敵対意識を彼の外交に展開させて来るのではないかと推測しているからである。
大統領選挙戦中もボルソナロはあるテレビ番組の中で、「中国はブラジルで物を買っているのではない。彼らはブラジルそのものを買収しようとしているのだ。中国人の手中にブラジルが収まってしまうことを許せるのだろか?」と述べて中国を批判したことがあった。
ボルソナロのこの姿勢に対して、ブラジル中国商工会議所のチャールズ・タング会長は「ボルソナロは共産主義の一国としての中国のイメージを拭い去る必要がある」「ボルソナロが選ばれた暁には彼を中国に連れて行くつもりだ。中国については共産主義という名前が残っているだけだ」と語り、共産主義の国ではもうないと伝えたいようだ。
また、「中国からの投資はブラジルを危機から救い出すために役立っており、彼が政権に就けばその現実が分かるはずだ。その時は中国人にメダルを授与せねばらなくなると思う」と強調した。(参照:「ボルソナロは2月に台湾を訪問
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