大きな可能性を持つ革新的テクノロジーは、その新規性ゆえ、出現の際には様々な混乱も生じます。写真が出てき時には「撮ると魂を盗られる」という、今思うと滑稽でしかない迷信がまことしやかに語られました。
今のAIも似た状況にあります、AIに対する共通の認識が形成されていない中、様々な都市伝説がまことしやかに語られています。第一人者と言われる人達の見解も必ず正しいとは限りません。この混乱を乗り越え、AIを正しく発展させ活用していくため、今私達に求められているのは「誰が言っている」を判断基準にせず、「何を言っている」を自分で咀嚼し判断する姿勢だと筆者は考えます。これによりAIに対する正当な共通理解が形成された時、AIの大きな可能性が花開くでしょう。
これに失敗すると厄介な未来が待っています。AIは決して暴走しません、暴走する危険があるのは都市伝説から生じるAIへの過度な期待や恐れを信じ込み、突き進んでしまう人間なのです。
<文/鳥谷健史>
とりたにけんし●日本アイ・ビー・エムに入社し、システムエンジニアとして活動。退社後はフリーのITコンサルタントとして活動中。企業へのコンサルティング活動を行う傍、技術コミュニティー技術コミュニティー”越境するテクノロジー”やセミナー”
ゼロから始める機械学習”を主催