1836年のNYダウ開始から唯一残るGE株が6月に除外
ダウ工業株
NYダウは、1896年に農業、鉱工業、輸送などの12銘柄でスタート、1928年には30銘柄となりました。その後、斜陽化した銘柄を落とし、成長銘柄を組み込むなどして、時代の変化を反映させながら今日に至っています。
120年近くの歴史がありますが、1896年のスタート段階から残っている銘柄はGE(ゼネラル・エレクトリック)1社のみ。そのGEも今年(2018年)6月25日から除外されてしまいました。
GEは発明王トーマス・エジソンが設立した電気照明会社が源流で、これまで時代の変化に積極的に自らを適応させ、事業内容を組み替え生き残ってきました。それでも過去に1800年代末と1900年代初頭に2度、構成銘柄から外れたことがあります。
近年、電力部門の落ち込みや金融事業の縮小などを背景に業績が低迷、過去1年でダウ平均が15%上昇する中で、GE株は55%も下落していました。ダウ平均には最高値と最安値の価格差を10対1に以内に収めるルールがあるとされます。これに抵触したと見られています。
GEに代わり、ドラッグストア大手のウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスが入りました。30銘柄中小売りはウォルマートとホーム・デポの2社だけでしたが、消費市場で存在感を高めているドラッグストアとして初の採用になりました。S&Pダウ・ジョーンズ指数委員会は「米経済の構造変化で製造業よりも消費、金融 ヘルスケア、テクノロジー企業の重要性が増している」と説明しています。
30種平均に組み込まれている銘柄は、金融、化学、医薬品、情報、航空機、小売業、石油などアメリカの主要な産業を代表する企業です。この数年では2013年にピザ、ゴールドマン・サックス、ナイキ、2015年にはアップルが新規追加、逆にアルコア、バンク・オブ・アメリカ、ヒューレット・パッカード、AT&Tが除外されました。
それにしても、創設時に加わっていた企業が1社しかなかったのには驚きます。米産業の栄枯盛衰の激しさを示しています。今後も、30種平均の構成銘柄は時代の変化を受けて、さらにどんどん入れ替わっていくと思われます。