安倍首相の事務所が下関市長選で暴力団関係者に選挙妨害を依頼!?
自民党総裁選の最終日、秋葉原で気勢をあげる安倍晋三首相
安倍晋三首相にとって、心臓がバクンバクンと動いてしまう事態が進み始めている。安倍首相と暴力団関係者の“癒着疑惑”が、早くて秋の臨時国会、遅くとも1月から始まる通常国会で取り上げられる公算がたってきたのだ。
“疑惑”の概要をざっと振り返ろう。
1999年の下関市長選挙で安倍首相の事務所が、元建設会社社長で当時前科8犯の暴力団とつながりの深いブローカー、小山佐市氏に対して、安倍陣営が応援する候補者と対立する候補への選挙妨害を依頼。依頼を受けて、対立候補者を中傷するビラがまかれるなど、選挙妨害が執拗に行われたという“疑惑”だ。
小山氏の証言によると、安倍首相サイドは小山氏に約束していた見返りを何ら守らなかったという。そのための報復として2000年、安倍首相の自宅などを含めて、安倍首相関連の事務所・施設など5か所に火炎瓶が投げ込まれ、2003年、小山氏と工藤会系の組長・組員が逮捕された。
2007年の地裁判決公判において、裁判長は「(小山被告は)事件の1年前に行われた下関市長選挙に関して安倍総理大臣側に協力したのに金銭の要求を拒絶された。この恨みを晴らすとともに、暴力に訴えて多額の金銭を得ようと、つきあいがあった組長に犯行を依頼した」と述べた。
また判決文においては、小山氏と安倍事務所の地元秘書(当時)だった佐伯伸之氏との関係について「かねてから交際していた」と書かれた。つまり、司法は安倍首相の事務所と暴力団関係者の深い関係を認定し、選挙妨害を依頼したことも認めているのだ。
さらに、今年出所してきた小山氏にジャーナリストの山岡俊介氏が接触し、安倍首相と小山氏が会った時の写真を入手・公開。安倍事務所と小山氏が交わした確認書3通も公開した。
国会での追及を明言した玉木雄一郎・国民民主党代表
これだけの大スキャンダルであるのに、国会で追及したのは山本太郎・自由党共同代表のみ。
そこで、10月17日に国会内で行われた玉木雄一郎・国民民主党代表の定例会見で、日仏共同テレビ局France10の濱田雄馬記者が「玉木代表が先頭に立って、バタバタと(政権に)切り込んで行くと以前おっしゃっていましたが、いわゆる『#ケチって火炎瓶』の問題を、国会で追及していくつもりはありますか?」と質問した。
玉木代表は、こう回答した。
「まず、安倍総理、安倍事務所側が被害者というのが前提です。まず、その認識の上で事件を捉える必要があると思っています。ただ一方で、裁判の中で反社会的勢力と関係が深い人物に依頼して選挙妨害をしたことが(小山氏の証言によって)明らかになった。であれば、それはさまざまな政治的責任が問われると思います。総理にも説明責任がある。この問題を国会でどういう委員会で取り上げていくのかということについて、国対委員長とよく相談して決めていきたいと思います」
予算委などでの質問内容や質問者を決めるのは国民民主党の国会対策委員長だ。現在は、原口一博・元総務相がその任に就いている。全国紙の野党担当記者はこう語る。
「今回の会見で、国民民主党が『#ケチって火焔瓶』について追及することを玉木氏が明言したも同様です。玉木さんも原口さんもパフォーマンス好きで、テレビで放映されて注目の集まる予算委員会で質問するのが好きです。さらに、国民民主党は支持率が0~1%と低迷している。『#ケチって火焔瓶』を追及しない野党を不甲斐なく思っている国民は多い。国民民主党が追求すれば、支持率上昇のキッカケになるかもしれない。玉木代表もそれは当然、考えているでしょう」