4年前の県知事選での公約「辺野古新基地阻止」を実現しようとした翁長雄志前知事。知事選で当確が出て万歳をした後、カチャーシーを踊る翁長前知事。隣が樹子夫人
命を削ってでも「辺野古新基地建設阻止」を実現しようとした翁長前知事の遺志は、史上最高得票での圧勝によって玉城知事に引き継がれた。そして、新基地建設強行をする安倍政権に「ノー」を突きつけた沖縄県知事選の原動力となった「オール沖縄方式」(市民参加型野党連携)を全国各地に発信することで、自公政権に終止符を打とうともしているのだ。
ちなみに自公連携(選挙協力)の源流は、太田昌秀・革新県政が瓦解した1998年の沖縄県知事選。当時の自民党県連幹事長だった翁長前知事が、大田県政与党の公明党を離反させて自公選挙協力態勢を作り、稲嶺恵一・保守県政を誕生させたことが中央に波及、翌1999年の自公連立政権(第2次小渕政権)誕生につながったのだ。
自公連携の発祥地・沖縄で、その生みの親ともいえる翁長前知事の後継候補が当選した県知事選で、自公連立政権の“終わり”が始まったのだ。20年前の翁長前知事の動きがきっかけでスタートした自公連立政権は、いまや沖縄県民の民意を踏みつぶす独裁者へと変貌している。そんな負の遺産の清算を、翁長前知事は死期迫る病床から玉城知事へと託したようにみえる。
<取材・文・撮影/横田一>
ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた
『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)に編集協力。その他
『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数