温泉街だけでなく、観光地を歩いていると奇抜な建物など“バブルの残骸”を多く目にする。もうすぐ平成も終わろうとしているが、地方の観光地では“昭和へのタイムスリップ”が味わえることも魅力のひとつかもしれない。世間では新しさや洗練されたものばかりが話題になるが、そういったものには投資も必要だし、サイクルもあっという間にすぎてしまう。多少野暮ったくても、非日常感が味わえるというのをウリにするのもアリなのではないだろうか。
翌日は15時まで牧場やパターゴルフを楽しみ、19時頃には新宿に帰還。結局、映画で見るような乱痴気騒ぎは行わなかったが、30過ぎにはこの程度のほうが体にも財布にもダメージが少ない。1泊2日で、宿代やスナックの飲食費、レンタカーやガソリン代も含めて、かかったカネは一人・約2万5000円。友人と親睦を深める、ちょっと変わった週末を過ごす、普段目にしない地域の今を知る……。それでこのお値段はかなり割安なのではないだろうか?
高い衣服に身を包んで、高級なお酒を楽しみながら、セレブ感を味わう……。そんなバチェラーパーティも楽しいかもしれない。しかし、地方創生や懐事情を考えた場合、温泉街に足を運んでみるというのも、ひとつの手だ。
日本ならではのバチェラーパーティが定着すれば、地方経済にも思わぬ効果を生むかもしれない。地元飲食店がバチェラーパーティ割引を行うなど、積極的な誘致にも期待したいところだ。前出のポーランドの例のように、リピーターの増加も望めるはずだ。
「~離れ」ばかりが叫ばれる20~30代を地方に引き寄せるには、バチェラーパーティがいいキッカケとなるかもしれない。
<取材・文・撮影/林泰人>