トランプの移民保護制度廃止政策にカリフォルニア連邦裁判所が「NO」。根底にある人種差別を指摘

白石和幸
Protesters marching in support of immigrants

photo by Fibonacci Blue via flickr (CC BY 2.0)

 問題をあちらこちらにばら撒いて行くのを得意とするトランプ大統領。18か月の在留許可がこれまでほぼ自動的に延長されて来た移民保護制度TPS(一時保護資格)をトランプが打ち切ることを決めてから、それが米国で深刻な社会問題に発展している。

 TPS制度というのはブッシュJR大統領の政権時の1990年から始まった移民受け入れ制度である。開発途上国で甚大な自然災害を受けた国や内戦状態にある国など10か国がその対象になっている。その市民を一時的に米国が合法移民として受け入れているのがこの制度である。特に、中米諸国がこの恩恵を受けている。

 トランプは大統領選挙戦中からラテンアメリカやアラブ諸国からの移民を蔑視する姿勢を示していたが、大統領になってからTPS制度の打ち切りを発表した。その被害をモロに受けることになったのがエル・サルバドル、ホンジュラス、ハイチ、ニカラグアからTPSを利用して米国に在住している移民である。

 対象になる移民の数はエル・サルバドル26万3000人、ホンジュラス8万6000人、ハイチ5万8000人、ニカラグア5300人にものぼると言われている。TPSの廃止によって、彼らが米国から立ち去ららねばならない日は、ニカラグア出身者が2019年1月、ハイチが同年7月、エル・サルバドルが同年9月そしてホンジュラスが2020年1月となっている。(参照:「El Diario de Hoy」)

移民家族を分断する悪政

 この問題が深刻なのは、この制度が発行された当初から米国に在住している移民の場合は既に家族を抱え、また会社を経営している移民もいる。彼らは税金も払い米国に貢献しているのである。

 米国で生まれた彼らの子供は米国の国籍保有者になっているが、トランプがこの制度を廃止すれば親子が離れ離れで生活せねばならなくなる。

 この制度を利用して21年間米国に在住しているニカラグア出身のロサ・ゴンサレスさんは「私の労働許可書がこれから自動的に更新されなくなると知ってから苦難が続いている。ニカラグアに戻らねばならなくなると考えると、眠れない日が多くある」と「El Nuevo Diario」紙に語っている。

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アメリカの司法は死せず

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