市民権を得たクラウドファンディング。その一方でトラブルも増加
2018.10.15
ここ数年、日本でもクラウドファンディングは市民権を得て、達成額が1億円を超えるプロジェクトも珍しくはなくなった。しかし、トラブルになるケースも増加しているという。
一口にクラウドファンディングと言っても、プロジェクトの内容によって投資&融資型、寄付支援型、物品購入型に分類できるとされている。投資は金銭やサービス、寄付は活動報告など、購入型は製品が主なリターンとなる。
大手クラウドファンディングサイトMakuakeで、ある物品購入型のクラウドファンディングに参加したAさんは、リターンの遅さとプロジェクト主、サイトの対応にうんざりしているという。
「キャンプで使うマットや子供の浮輪を十数秒で膨らませるという、ポケットに入るサイズのアウトドア用小型エアポンプを生産するというので、参加しました。一般販売価格は4370円ですが、7月9日までに参加すれば特別価格の2800円でリターンが得られると。しかし、8月上旬の発送とあったにもかかわらず、品物が日本に着いたのは8月末。9月に入ると台風が来たから、商品が送れないと言い始めたのです」
そしてさらに支援者たちの怒りに火をつける出来事が発覚する。なんと、Amazonで2228円で販売され始めたのだ。
「プロジェクト主は『売られているのは前のバージョン』と言い訳をしていました。しかし、私は試しに購入したのですが、Makuakeの商品と同じものとしか思えないものでした」
規約上、一旦支援したプロジェクトのキャンセルはできず、トラブルは当事者間での解決が基本とはいえ、掲載サイトに対して憤りを感じる支援者は少なくない。Makuake広報部に話を聞いた。
「商品の遅配や、クレームが来ていることも把握しております。プロジェクト主に対しては発送を促すだけではなく、支援者への経過報告などの対応をするよう、強く要請するなどしております」
結局、Aさんの元に商品が届いたのは、この原稿の締め切り間際の9月27日だった。
「Makuakeも20%の手数料を取ってるならちゃんとしてほしい。通販で普通に安く買えるなら、わざわざクラウドファンディングに参加しません。こんなん詐欺みたいなもんですよ」
運営サイトに抗議しても自己責任で泣き寝入り
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