「お偉いさん」が後ろにデンと座っている企業研修は失敗する。駄目な企業研修の特徴

山口博

自ら参加できなければ、運営サポートに徹する

 ここまで申し上げてもなお、反論に接することがある。「研修担当者は、研修受講者の階層とは異なるので、研修に参加する資格がない。いち参加者として研修に参加できない」というものだ。たとえば、管理職対象の研修に、管理職ではない一般社員の研修担当者が、いち参加者として参加することは適切ではないというわけだ。

 このような場合には、管理職である参加者に聞いてみればよい。研修運営のサポートの役割もかねて、しかし、一緒に同じテーブルにつき研修に参加することに違和感を覚えるかどうかという点を確認するのだ。どうしても違和感を覚えるというのであれば、研修担当者はその研修に参加しない、そして研修運営の役割を休み時間に会場に入って担うなどの工夫をすればよい。

 会場の後ろに監督者がいるかいないかという問題は、些細な問題だと思うかもしれない。しかし、繰り返すが一人一人に与える影響は限定的でも、全員に与える影響の総和は無視できない大きさになっている。演習形式で、その場でスキルを身につけるプログラムであればなおさらだ。

 研修運営担当者になる機会は、研修部門の在籍でなくても意外と多いものだ。それも若手社員が担うことが多い。読者のみなさんに、気に留めていただければ幸いだ。

【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第104回】

【山口 博(やまぐち・ひろし)】グローバルトレーニングトレーナー。モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい、2017年8月)がある

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