やはり、いわゆる先進国中では、圧倒的に女性閣僚が少ない日本。「各国政権と比較してどう思うか?」という質問に対して、在日外国人女性たちからは厳しい声が飛んだ。
「『女性が出世できる社会』という口だけのリーダーばかりなのは残念ですね。現政権下ではあまり多くありませんが、ポーランドでは23人中、6人が女性です。共産圏でなくなってからは、3人の女性首相も誕生しています」(ポーランド人)
また、より女性の登用に積極的な北欧からも諦めに近い声が……。
「はぁ……という感じです。日本では女性の声が本当に弱いと思います。同じことでも、男性が注意すれば聞くのに、女性が言うと無視されることも多い。女性閣僚が少ないのは、積み重なっている問題の氷山の一角です」(ノルウェー人)
しかし、同じ質問を日本人女性に向けると、やや意外な回答が返ってきた。
「男でも女でもいいから、とにかくどうにかしてほしい。今の日本は女性の生き方だけじゃなくて、全部がヤバい。女性閣僚の人数とかいう以前の問題だと思う」(32歳)
諦めにも近い意見だが、それ以外にもあまり女性閣僚の数にはこだわらないという声が。
「うまく仕事がまわっていればいいんじゃないですか? 自分たちが表に立たなくても、男性を手の平で転がして進めていけばいい」(46歳)
先日も熊本市議会でのど飴を舐めていた緒方夕佳議員が退席させられるなど、こと政界においては女性への風当たりは強く、海外でも『
ガーディアン』などが報じている。
また、報道でも「マドンナ議員」「〇〇ガールズ」といった言葉が当たり前に使われているように、女性が“異質な存在”であるという認識は、本来公正であるかを監視するべき日本メディアのなかにすら存在している。
こういった現状を踏まえると閣僚の半数が女性になったり、女性が国のトップに立つ日が訪れるのは、まだまだ先になりそうだ。果たして、男女平等はどう実現されていくのか? 今後も先導するべき立場である政権の動きを注視していきたい。
<取材・文/林泰人>