脱プラスチックを掲げる、スターバックスの紙製ストローの使い心地は? 実際に使用してみた

口元がはがれた韓国スタバの紙製ストロー

口元がはがれた、韓国スタバの紙製ストロー

 プラスチック製ストローの使用を廃止する運動が、世界各国で急速に広まっている。  そのきっかけの1つになったのは2015年、南米コスタリカ沖で、ウミガメに関するデータを収集していた米国テキサスA&M大学の調査員らが、鼻にストローが刺さったオリーブヒメウミガメを発見したことだとされている。  そのストローを引き抜くまでの痛々しい動画が世界中に拡散されると、たちまち多くの「ストロー関係者」の心痛するところとなった。  そこで、アメリカのスターバックス本社に、昨今の“脱プラスチック製ストロー”の動きについて見解を求めたところ、同社では30年以上地球環境に真摯に向き合う企業として活動しており、完全にリサイクル可能な紙カップの開発に1,000万ドルを拠出するなどの試みを行ってきたとの回答を得た。  この5年で冷たい飲み物の売り上げが全体の50%を占めるようになったことに鑑み、同社でも現在使用されているプラスチック製ストローを、紙製ストローや再生可能プラスチックであるポリプロピレン製の蓋などに置き換える動きと相成ったという。  また同社いわく、プラスチック製ストローの主な問題の1つは、その小ささと軽さにあるという。  同ストローは、現代のリサイクル装置には小さすぎ、かつ軽すぎるゆえ、うまく掴み込めないのだ。確かにストローはその形状や軽さから、街中でも飛ばされればカップよりも遠くに飛んでいく。それが海に出てしまえば、当然、自然分解されることなく、遠くの沖を半永久的に漂い、前出のウミガメの件のように、他の生態系に影響を与えかねない。  各国のスターバックスグループの中でも、こうした取り組みをいち早く行動に移している国がある。韓国だ。  韓国スターバックスは、世界的にもリサイクルに対する取り組みが早く、今年8月には店内を利用する客に対して、紙コップ、プラスチックカップでの飲料の提供を一斉に禁止し、9月からは韓国国内の100店舗で紙製ストローを試験導入。最初の2週間はスターバックスのロゴ色である緑色、次の2週間は白色を提供するという。
次のページ
紙製ストロー、使い心地の正直な感想
1
2
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会