「妻」からすればパパ活も愛人関係も一緒。リスクヘッジ視点で比較する「愛人」と「パパ活」<現役愛人が説く経済学51>

長期スパンの関係が醸成する信頼関係がヘッジするリスク

 早稲田大学教授である、森川友義氏が書いた『大人の不倫学』によると、女性は「体の浮気」よりも「心の浮気」を嫌うそうです。女性は夫が風俗へ行く浮気は許せても、他の女に心移りする浮気は絶対に許せないのですね。民法上は、プロ相手のセックスも、素人女性相手のセックスも同じ不貞行為です。しかし女性は、素人相手のセックスを「より重罪」とみなしますから、離婚せずとも慰謝料を請求する場合があります。最大で300万円は覚悟しなければなりません。  パパ活女性の約半数は性行為をしておられますから、奥様から訴えられるリスクを負っています。その場合、短期的で浅い関係の男性から、慰謝料を補填してもらうことはできるでしょうか。ほとんど絶望的でしょう。  愛人となりますと、少し希望が見えてまいります。相手との信頼関係が深いからです。長期的スパンで男性と交際し、ときには自宅や昼の勤務先を教えることすら厭いませんから、パパ活よりも「訴訟リスクへの備え」が増えるのですね。  ビジネスでいえば、パパ活が小規模な顧客と細切れな取引を繰り返すのに対し、愛人は信頼できる大企業と長い視野で取引しているようなものです。長いお付き合いが前提ですから、互いに相手をないがしろにはできません。  男性は代替不可能な愛人を大事にしますし、バレずに長期的な関係を築きたいと願います。仮に不倫が露呈した場合の慰謝料も、きちんと支払ってくれるのです。  このように愛人ビジネスでは、1本の木が数十年かけて太い幹へと育つように、ゆっくりと資本を形成していきます。パパ活のような気軽さはございませんが、長期的に見れば深く根を張ってゆくものなのです。 <文・東條才子>
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