この影響で、アゾフ海にあるウクライナの2大港、マリウポリとベルジャーシクでは30%の減収になっているという。その上、クリミア大橋が海面から33メートル以上の高さを持った船は橋の下を通過できなくなっている。
米国務省はロシアの行動はウクライナを不安定にさせようという意図を持ったものだとして批判している。
今では、ロシアはアゾフ海で対抗勢力なく実質、支配するようになっているという。そしてロシアの次の狙いは黒海だという。ウクライナに向かう海上ルートを妨害する為に、ロシアはルーマニアの方に向かって黒海での勢力を伸ばそうとしている。そのように指摘しているのは、英国の軍事専門家グレン・グラント大尉である。(参照:「
EL Confidencial」)
ウクライナはNATOの海軍の支援を要請すべきだという意見もある。しかし、NATO加盟国でもないウクライナの為にNATOが危険を犯してまでロシアの黒海での勢力拡大の動きを牽制する用意があるか疑問視されている。
<文/白石和幸>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。