右肩上がりの手術支援ロボ「ダ・ヴィンチ」特許満了でライバル増も問題なし?
日本ロボット外科学会)
「ダ・ヴィンチ」は、サージョンコンソール、ペイシェントカート、ビジョンカートなどから構成される。
執刀医はサージョンコンソールで、遠隔で手術を行うのであるが、そこはまるでコックピットであるかのようである。サージョンコンソールで、“執刀医はビューポートをのぞき込み、三次元表示モニターを見ながら、手では2本のマスターコントローラーを、足ではフットスイッチを操作することによって手術を行う”という(参照:藤田保健衛生大学病院「手術支援ロボット「ダヴィンチ」」)
2018年、春のTBS系の「日曜劇場」で放映された、嵐の二宮和也主演の医療ドラマ『ブラックペアン』(原作は、海堂尊さんの『ブラックペアン1988』・講談社)は話題作となった。その第5話で、「ダーウィン」という異なる名称で登場したのが、「ダ・ヴィンチ」をモデルにした手術支援ロボットである。
ドラマでは、心房中隔(心臓の4つの部屋(右心房、右心室、左心房、左心室)のうち、右心房と左心房の間を隔てる筋肉の壁のこと)の細菌が繁殖した箇所を切除するために、「ダーウィン」によるロボット遠隔手術をおこなった。
劇中、患者が子供であったのであるが、子供の体の大きさを考慮してアームの調整をしなかったため、アーム同士がぶつかってしまい動かなくなるというトラブルがあった。アームが動くように調整した後、開胸手術することになったので、「ダーウィン」で手術成功とはならなかった。
手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」 (da Vinci Surgical System=ダ・ヴィンチ・サージカルシステム、ダ・ヴィンチ外科手術システム)は、米国インテュイティヴ・サージカル社が開発した内視鏡下手術用の手術用ロボットである。
手術用ロボットというと、まるですべての手術をロボットが行うようだが、「ダ・ヴィンチ」は、医師に代わりそれ自体で手術を行うものではない。医師が手術支援ロボットを操作して手術を行うのだ。
1980年代の後半に、「ダ・ヴィンチ」の原型は、戦場での手術を遠隔で行うシステムの開発を目的として、米国陸軍および旧スタンフォード研究所において開発された。
手術や検査における侵襲(痛み、発熱、出血など)を最小限に抑えようと努める医療のことを「低侵襲(ていしんしゅう、less-invasive)」と呼ぶが、「ダ・ヴィンチ」は、患者への低侵襲な手術を目的としている。
2016年9月末の段階で「ダ・ヴィンチ」は、世界で3803台、日本では237台が導入されている。(参照:2018年春ドラマの話題作「ブラックペアン」にも登場
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