「中国の植民地」化が次第に強くなっているベネズエラ。マドゥロ大統領が訪中

白石和幸
China and Venezuela puzzles from flags, 3D rendering

alexlmx / PIXTA(ピクスタ)

 あらゆる物資が不足し、多くの市民は食料難にあり、2015年から数えると400万人が国外に脱出。そしてIMFによると、市場は1,000.000%のハイパーインフレ。唯一の外貨獲得源である石油の産油も大幅に減少。あと2年先には国家が破綻すると言われているベネズエラ。

 その大統領ニコラス・マドゥロが急きょ9月13日から15日までの予定で中国訪問を開始した。その目的は新たに50億ドル(5500億円)の融資を受けるためであるとメディアは報じた。(参照:「Infobae」)

 マドゥロの訪問に先立って、彼の夫人デルシー・ロドリゲスが北京を訪問していた。チャベス前大統領の政権時ではロドリゲス夫人はマドゥロ以上に重鎮だったので、単に「夫人だけ先に観光で入った」わけではない。マドゥロが到着する前の彼女は、中国石油集団(CNCP)の総経理(社長)である章建華とも会談を持ち、ベネズエラ石油公社(PDVSA)の開発に協力を要請したという。(参照:「El Pais」)

慎重に相手を値踏みしながら投資を行う中国側

 もちろん、ベネズエラの置かれている状況については中国側も把握しており、今回のマドゥロ大統領の訪問では、滞在二日目に28項目に亘って数十億ドルにのぼる投資の合意が交わされたと各紙が報じられているものの、各紙とも、これまでのように当初期待された50億ドルの融資について合意書の中で一切触れられていないと言及している。

 中国国家開発銀行(CDB)の役員の一人が匿名希望で『El País』の取材に応じたところによれば、「ベネズエラで起きているすべてのことに不安を抱きながら追跡しており、状況に順応しながら対応している」のだという。つまり、中国政府も状況に応じて許せる範囲で協力しているようだ。なお、今回の合意の投資内容については石油開発は勿論、金鉱の開発や医薬品の供給などが謳われている。(参照:「El Mundo」、「La Patilla」)

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「気前の良い中国」の先にある狙い

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