小泉進次郎氏、自民党総裁選での「石破氏支持」を講演会で匂わせる!?

アベノミクスとは対極の「里山資本主義」による成功事例を紹介

講演の最初のスライドで取り上げたのが石破氏の目玉政策である「地方創生」で、島根県海士町を成功事例として紹介した

 続いてスライドを映し出しながらの説明に入ったが、まず取り上げたのが石破氏の目玉政策である「地方創生」。その成功事例として「ないものはない」宣言をした島根県隠岐諸島の海士町を紹介した。  松江市の沖合60kmにある交通不便な離島で、学校を核にした地域振興に取り組み「ソーシャルイノベーター最優秀賞」を受賞した岩本悠氏(学校魅力化プラットフォーム共同代表)と当時の山内道雄町長の写真を大写しにして、次のように説明した。 「『ないものはない』は逆転の発想。『都会にあるものはないが、都会にないものがある』ということです」  海士町では地域の魅力や潜在力を活かした取り組みが成功、観光客は増加し、移住者も増えて人口増加に転じた。日本が抱える「人口減少問題」に対し、アベノミクスとは無関係な手法で”解答”を出していたともいえる。 『デフレの正体』『里山資本主義』の著者で、“安倍首相に最も嫌われるエコノミスト”として知られる藻谷浩介氏も、人口増加に転じた海士町にいち早く注目する一方、異次元緩和による円安株高誘導のアベノミクスについて「大企業や富裕層を儲けさせるだけで、国民の大多数には弊害が多い。国を滅ぼしかねない経済政策だ」と厳しく批判している。  その藻谷氏の本を「熟読している」という石破氏も、地方創生のモデルケースである海士町を紹介した小泉進次郎氏も、中央主導型のアベノミクスから地域の潜在力を活かす「里山資本主義」への転換を目指しているようにも見える。
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「これでいいのだろうか、考え直さないといけない」
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