ZARA対Amazon、アパレルEC戦争勃発! インディテックス、2020年までに世界中でEC購入可能にすると宣言

急伸するインディテックスのネット販売

 ネットによる販売はインディテックスは他社に比べ後発で、ZARAブランドで試験的に始めたのが2012年であった。それから僅か5年にしてインディテックスの売上の10%を占めるまでに急成長しているのである。  今年3月にCEOのパブロ・イスラが「ネット販売が次第に重要になっている」と述べて、それまで未公開にしていた同社のネット販売の売上ボリュームを初めて公開したというエピソードもある。(参照:「Libre Mercado」)  それは同時に彼らの市場を次第に侵食しているアマゾンを意識したものであった。これから消費者はさらにネットによる購入を選択するようになるという市場の流れを前に、成長を維持するには遅かれ早かれアマゾンと対峙する運命にあるというのをパブロ・イスラは充分に承知しているようである。

Amazonは「自社ブランド」の展開で対抗

 また、一方のアマゾンは自社ブランドで生産した商品をネット販売するというプランも積極的に展開している。  アパレル分野では、米国では既に7つの自社アパレルブランドを販売しているそうだが、ヨーロッパ市場では昨年後半からスペインを始め他ヨーロッパ4か国においてアパレルの自社ブランド「find」のネット販売を開始している。女性と男性向けコレクションそれぞれシーズン毎に500アイテムである。ZARAに類似のコレクションで価格帯もZARAと同等になっている。(参照:「TIC beat」) <文/白石和幸> しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
1
2
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会