旧民主党時代の政策を見直した枝野幸男・立憲民主党代表が基地問題で訪米。沖縄県知事選への側面支援

立憲民主党設立会見

立憲民主党の沖縄県連設立について会見する枝野幸男代表(右)。左は沖縄県連会長に就任した有田芳生参院議員

 立憲民主党の沖縄県連設立を受けて、枝野幸男代表が8月29日に那覇市内で記者会見。辺野古新基地建設について「無期限で工事を停止して米国と再交渉をすべき」「沖縄の分断と対立を生む建設を強行し続けることは無理がある」と反対の立場を初めて表明、県外・国外移設から容認に転じた旧民主党政権時代の政策を撤回した。  また9月の訪米で建設反対の立場を伝え、沖縄県知事選(9月13日告示・30日投開票)の側面支援をしたいという考えも明らかにした。29日の県知事選への出馬会見で「アメリカに沖縄の未来へのオピニオンをしっかりと伝えていきたい」と意気込んだ玉城デニー衆院議員(自由党幹事長)と足並みをそろえることになったのだ。  会見の冒頭では、沖縄県連会長に就任した有田芳生参院議員が「自己決定権と人権を魂(まぶい)とする豊かな沖縄を」と題する設立宣言を読み上げた。有田議員は「日米地位協定の抜本的改定、普天間基地の閉鎖、辺野古新基地建設の見直し、断念をアメリカ政府および日本政府に粘り強く求めていく」と踏み込んだ発言を行った。

旧民主党政権時の政策を見直し、「新基地建設は止めるべき」と判断

3者会談

8月28日に議員会館で自由党の小沢一郎代表(中央)、玉城デニー幹事長(左)と面談をする、枝野幸男代表(右)。アメリカと再交渉をすることに、枝野氏も玉城氏も意欲的だ

 続く質疑応答で枝野氏は、旧民主党政権発足時に原点回帰をする経過や訪米への意気込みについて詳しく説明していった。 「この5年余りの間の状況の変化、あるいは明らかになったことからも、『このまま基地の建設を続行する状況ではない』という判断に至りました。私自身も、鳩山政権最後の3か月だけですが閣僚の一員でしたから、責任の一端を負っているところから逃げるつもりはありません。  立憲民主党という新しい政党を昨年スタートさせ、そこで一から議論・検討を進めてきた結果として、辺野古に基地を作らずに普天間の返還をさせ、そして日米安全保障体制を堅持していくことの3つは成立するという判断をしたということです。  特に、海兵隊の役割がこの5年の間でも大きく変化をしていると承知をしています。また、そもそも辺野古に基地が作れるのか。というのは、地盤の問題をはじめとして、その後明らかになった事実からも、ますます困難は大きくなっていると思っています。  そうした現状を踏まえれば、辺野古(新基地建設)を止めながら粘り強く交渉すれば、私はアメリカの理解を得られると思っています。いま申し上げたことの第一歩として、来月アメリカを訪ねまして、理解を得られそうなしかるべき人たちと意見交換をしてこようと思っています」(枝野氏)
次のページ
枝野氏訪米、基地問題を訴える!?
1
2
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会