J-REITには商業施設を投資対象にするものもあるが、「外国人投資家の人気がいまひとつ」(関氏)
それでは、数あるJ-REIT銘柄の中で、どれに投資すればよいか。関氏は「安定性を重視するなら住宅系」とアドバイスする。
「J-REITは保有不動産の用途ごとに住宅、オフィス、ホテル、流通倉庫などに分けられますが、住宅の家賃はほかの用途に比べて景気の動向に左右されにくい。投資対象の中心となる都市部の中高層賃貸住宅市場は供給がニーズに対して限られているため、’20年以降も安定した需要が見込めます。特にアドバンス・レジデンス投資法人(3269)は、約330億円もの内部留保を持っているため、将来的にも安定した分配が期待できます。保有物件の9割が東京23区であるコンフォリア・レジデンシャル投資法人(3282)なども信頼感のある銘柄です」
一方、高い利回りや増配を期待するならホテル系だ。
「ホテル系REITの多くは業績によって賃料が変動するので中長期的な安定性に欠けますが、今は外国人観光客の増加で業績が絶好調。平均して4.5%程度と高い利回りを誇っています。森トラスト・ホテルリート投資法人(3478)、ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)なども注目度が高い銘柄です」
住宅やホテル以外に、オフィスや物流倉庫などを投資対象にするREIT銘柄もあるが、山崎氏は「今は一般の投資家の投資タイミングではない」と警鐘を鳴らす。
「米中貿易摩擦や新興国の経済不安など海外の不確定要素が大きい昨今では、外資系企業も数多く入居するオフィス系はリスクが高い。物流倉庫系の銘柄も割高な状況が続いているので、魅力に欠けます」
ただし、購入銘柄とともに注意が必要なのが、その売り時と買い時を見誤らないこと。
「現在、東証REIT指数は1750ポイント前後ですが、投資するなら1700ポイントを下回るタイミングを待ちたいところです。さらに利回りが住宅系なら4%、ホテル系なら4.5%に達するまで下落したときが絶好の買いチャンスになります」
一方、関氏は投資したあとの注意点として「一時的な下落にナーバスにならないことが大切」と購入後の心得を指南。