米成人7割がネット企業によるニュース配信のパーソナライズに否定的。偏見のエコーチェンバー化を危惧

ナイト財団のサイトより

 ケンブリッジアナリティカによる選挙工作とFacebookの関連、さらにフェイクニュースの蔓延など、2016年の選挙以来2年間、Facebook、Google、Twitterなどの大手ソーシャルメディアやテクノロジー企業の情報社会における役割が注目されている。  そんな中、メディアやジャーナリズム関連の支援・投資を多く行う米非営利メディア団体・ナイト財団が米成人を対象にインターネット企業の情報への姿勢について世論調査を実施した(任意に選ばれた米成人1203人で、調査期間は5月21日~6月4日)。

ネット企業のニュース配信が偏見を育むことを危惧

 同調査によれば、回答者の88%が、Google、フェイスブック、ヤフーなどインターネット企業がニュースを提供する方法を透明に開示しなければならないと考えているという。  また、回答者の79%は、これらのインターネット企業が新聞やテレビなどのニュースメディア同様に規制されて責任を持つべきだとしているという。  報告書では、「米成人の大半は、主要なインターネット企業の方法がニュースに対する偏見を植え付け、特定の視点の表現を制限し、インターネット企業に利益をもたらすニュースの影響を育むとして非常に懸念している」と指摘している。インターネット企業にニュース提供方法を開示すべきとした回答が多かった理由は、そのような懸念の結果であると説明している。  また、多くのインターネット企業がニュースコンテンツ配信をパーソナライズしようと必死になっているが、その動きに対して米成人の多くは否定的に捉えていたという。興味、インターネット検索、ウェブ検索履歴をベースにコンテンツを提供する試みについて、54%は否定的、45%が肯定的だと答えた。このパーソナライズをニュースに限定して調査した結果、「個人的な好みに応じたカスタマイズニュースより、みなが同じニュースを接しなければならない」との回答が73%に達した。一方、カスタマイズされたニュースを好む立場は17%に過ぎなかった。  報告書は、「カスタムコンテンツのアプローチがニュース報道にまで拡大することについて、米成人は懸念しているように見える」と指摘している。
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