日本の美容医療は暴利だ!! 新進気鋭の美容外科医が明かす美容整形の実情

栗田シメイ

世界はもはや「安くて質が良い」が主流

――それほど日本の美容医療は高いのでしょうか?

高:そうですね。私は暴利という表現すらできると思います。

今の世界のスタンダートでいえば、安くて質が良いのが当たり前となりつつあります。韓国なんかはその最たる例といえるでしょう。中国なんかも、全体の産業の中で美容業界の市場規模は国内でトップ5に入るほどで、業界の質も年々高くなっている。日本のいわゆる『偉い先生たち』は、韓国は質が悪いと言いますが全くそんなことはない。

逆にいえば、日本があぐらをかいてこのままの価格設定でいることで、どんどん世界的な基準から取り残されていくでしょう。せっかくインバウンド特需がある中、しっかりとした技術やノウハウを謳うことができれば、旅行者にも市場は広がっていく可能性すらあります。

――なぜ日本の医院は他国と比較して価格帯が高いのでしょうか?

高:もともと美容医療の世界は利益率が非常に良いんです。一概にはいえませんが、利益率で見れば30~40%水準でしょう。湘南美容外科の価格帯でも、充分な利益が出ているはずです。ただ経営者達は薄利多売になることを恐れて、価格に対する工夫があまり見られません。

その理由は、医者とビジネスの感覚というのは必ずしもマッチングせず、なかなかうまいバランスを保つのが難しいからだと感じています。先述したように、仕入れや広告費、機材などを工夫すればまだまだ改善できる業界です。ただ、そういった意識の人があまりにも少なく、顧客や潜在層に響かない。

――経営といった意味では、高須クリニックの高須克弥院長は一般的にもよく知られた存在です

高:高須先生に関しては、経営的には天才的な方といっても大袈裟じゃないです。何より、業界のブームを作り出した先駆者の方なので。どうしても、医者としての顔と経営者としての顔を両立させるのは難しいと私自身も感じています。普通の医者は、治療の際もどうしても自分の得意分野に偏った施術を薦めがちで、新しい技術を取り入れることに消極的な方がいるのも現実です。

しかし、高須先生は、あのお年になられても常に新しい医療や治療方法を取り入れることに貪欲なんです。治療の技術と経営面の両方を兼ね備えた、数少ない方だと思います。あとはSBC湘南美容クリニックの相川佳之先生も経営者として凄腕の方だと感じています。

安価にすればもっと間口は広がる

――今と昔では美容医療を利用する層に変化はあるのでしょうか

高:間違いなく昔より間口は広がっていますね。

昔は美容医療というと、どうしても“ハードルが高い”と感じる方が多かった。ところが今は若い女性だけではなく、幅広い年齢層の方が利用される時代になってきた。ちょっとした脱毛やしみ治療、ボトックス注射まで気軽に受けられる土壌はできてきたと思います。業界全体のイメージがライトになったといえるでしょう。

事実、近年では中年男性の利用者が非常に増えています。経営者の方や人前に出る機会が多い方はもちろん、普通の会社員の方も多くご来店されます。「来る前は抵抗を感じていたけど、施術を受けて自信がついた」と満足される方が大半ですね。だからこそ、安価でサービスを提供することでより市場は広がっていく可能性もあると思います。

――高さんの医院が安価でサービスを提供できる理由は何なのでしょうか?

高:理由は仕入れ面に付きます。ウチはレーザー治療の価格には絶対の自信を持っています。なぜなら、私が海外に足を運び、代理店を通さずグローバルスタンダードといえる価格で、直接仕入れているからです。さらに、専属のエンジニアを雇い、メンテナンスや最も効果が高い設計を常に模索しています。ですので、維持費や仕入れ面で浮かせた価格を、料金面に反映しています。

個人的には、お客様も『高いことが当たり前』と考えられている状況を変えたく、できるだけ負担にならない価格でサービスを提供できるように努めています。

――最後に、今後の美容医療の業界がどうなっていくか展望を聞かせてください

高:今の美容医療院の絶対数は多すぎます。東京はまだ市場的に伸び代がありますが、地方にいけば悲惨な状況の院も少なくない。それにいくら市場が拡大して、顧客の美容医療への意識が変わっても、価格が変わらないと顧客離れを起こしていくでしょう。まずは経営努力で価格帯を下げる院がある程度出て来ること。もっと合理性を突き詰めるべきでしょう。

あとは、価格に付加価値を持たせることでしょうか。例えばアフターケアなどはまだまだ改善できる余地がある分野でしょう。既に日本の美容医療のシェアは韓国にだいぶ奪われている状況で、少しずつでも変えていかないと今後もどんどん韓国に顧客は流れていく。一人ひとりの医師が、危機感を持たないとこの状況は変わらないでしょう。

<取材・文・写真/栗田シメイ 協力/東京美容医療クリニック

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