退職後500万円の負けを経て、元日経新聞記者が獲得した着実に利益を出すための教訓とは?
元本割れすることなく、ローリスク・ミディアムリターンを狙って着実に利益を出していく“石橋を叩いて渡るネット株投資術”(石橋攻略)。今回は、資金配分や保有銘柄数の考え方や、長期保有より短期売買にメリットがあるということを説明します。
実際に取引を始めるに当たって、何種類の銘柄を選んだらよいでしょうか。投資金額によって異なりますが、ここでは1000万円の資金運用を考えてみましょう。
1銘柄の購入金額を50万円(たとえば1株5000円の株を100株購入)と仮定します。この場合、選択肢は複数あります。第一の選択は異なる銘柄を100株ずつ購入すれば20銘柄、合計保有株数は2000株になります。投入資金をすべて株式購入に振り向ける選択です。
しかし「石橋攻略」はそのような方法をとりません。第2の選択として、株式購入に充てる資金は700万円にとどめ、残りの300万円は現金として残しておきます。
700万円で株式を購入する場合、株価5000円なら100株単位で異なる銘柄を14銘柄購入できます。保有株数は合わせて1400株になります。
ですが「石橋攻略」では、別の選択方法を採用します。ビギナー(初心者)にとって、異なる14銘柄の株価分析(その企業の業績、財務状況、この数年の株価動向など)は至難の業です。ビギナーにとっては、銘柄数が増えるとその銘柄に対する観察力が低下してしまいます。
そこで初めは、これと思う株式を4~5銘柄に絞って、その銘柄についての財務状況、株価動向、特に過去1年ほどの間の安値・高値を見極め、安値と判断したときに購入します。たとえば購入銘柄を5銘柄に絞ったとします。この場合、4銘柄を300株ずつ購入、残りの1銘柄を200株とすれば、保有株数は1400株になります。
別の組み合わせもあります。3銘柄については200株ずつ、残りの2銘柄については400株ずつ購入すれば、保有株数は同じ1400株になります。このほかにも組み合わせは多数あります。
内容を熟知していない異なる14銘柄を100株単位で1400株保有するよりも、時間をかけて調べ上げた4~5銘柄の株式を200株、300株単位に絞り込んで購入する方がよほど安全です。
初期段階では、株式の購入金額は投入資金の7割程度、現金として3割程度を残して様子を見ながら購入額を増やしていく慎重さが求められます。現金で残しておけば、予期せぬ押し目買いのチャンスにも対応できます。
現金をすべて株式購入に振り向けてしまうと身動きが取れなくなり、「この価格で買えば、近い将来必ず上昇する」という銘柄に直面しても購入する余裕資金がありません。
以上のケースは、運用資金が1000万円の場合です。石橋攻略は、運用資金が1000万円以下、たとえば500万円でも200万円でも可能です。ただ金額が小さくなれば購入する銘柄数も少なくなるため、リスクが大きくなります。
例えば5銘柄の場合は、A銘柄が下落しても他のB、C、D、Eの4銘柄が上昇していれば、全体の売却益は黒字になります。しかし資金が少なくA銘柄しか購入できなかった場合は、A銘柄が下落すると赤字になってしまいます。
投入資金の7割で株式購入、3割の現金は残しておく
ビギナーは4~5銘柄に絞ったほうがいい
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