ブロックチェーンゲームが今後、仮想通貨の市場に影響を与える可能性が(画像はBTGポータルサイト「BlockchainGamesbiz」)
現在の仮想通貨市場では、4月には自主規制団体となる可能性が高い「日本仮想通貨交換業協会」が発足し、10月をめどに自主規制ルールの策定を進める。世界的にも規制強化が進み、ブームは去ったようにも見える。しかし、同氏は「むしろ規制強化は正しい流れ。内部統制やAML(アンチ・マネーロンダリング体制)などの対応が進む事によって、質の悪い業者が退場し、安心して投資できるようになる」と歓迎しているという。
「また、昨年BTCは1日40%以上も値動きしたことが2回ありました。これは、リーマンショック時の日経平均の年間と同じ数字。今後はそこまではないにしろ、80万円台で推移する現在も1日の値幅は3~4万円ほど。それが常に起きているので、注目市場であることに変わりはありません」
今後の市場動向についても、「個人的には強気に見ています。10月に自主規制ルールの概略が見えてくれば、むしろ安心した投資家が戻ってくるはず。昨年のようにあまり過熱するのは避けてほしいですが、BTCは100万円台に値を戻してもおかしくない」と期待感を寄せる。また、仮想通貨ではBTCを基軸に、イーサリアム(ETH)とリップル(XRP)が続く構図は変わらないものの、「いわゆる“草コイン”に注目する向きもありますが、それよりも個人的にはETHに注目しています」と新たな動きを明かす。
今年に入り、アメリカでは運営会社や特定の管理者がいないブロックチェーンゲーム(BCG)が大流行しており、同氏は「大人気なのが、猫のキャラクターを育てるCryptoKittiesです。タマゴッチのような育成ゲームなのですが、育てたオリジナルキャラクターの売買に10万ドル(約1100万円)の値が付いたこともありました。こうしたBCGの9割以上でETHが決済に使われている。すでに国内でも、いくつかの企業がBCG参入を表明しており、夏秋頃にはリリースされる予定です」と指摘。
BCGを構築する上で、難しい技術が必要なBTCよりも、ETHの方が手軽なことが理由だが、「ETHの取引が活発化したため、一時はバグも発生したのですが、すでに沈静化しています。言い換えれば、それだけ注目されているということ」と技術トラブルも好材料になっていることを明かす。
素人投資家によるバブルは去り、規制強化もむしろ投資家保護の観点から安心材料となっている仮想通貨市場。まだまだ稼げる余地は残されているようだ。
田代昌之氏
【田代昌之氏】
マーケットアナリスト。新光証券、シティバンクなどを経て、フィスコ入社。フィスコデジタルアセットグループ代表取締役を務め、経済誌などへの寄稿多数。
― SPA! BUSINESS JOURNAL ―