【火炎放射器のような炎がリゾート地の森を焼き尽くした】ギリシャで起きた森林火災では81人が死亡、190人が負傷、100人以上が行方不明(7月26日時点)という大災害に。約1500軒の家屋なども燃えた 写真/時事通信社
北陸地方の大雪、西日本豪雨、連日の猛暑など、今年に入って異常気象が頻発している。実は、それは世界でも同様で、その大きな要因には「地球温暖化の進行」があった!
森林火災 気温上昇と乾燥で山火事発生、森林の消失は’80年代の6倍
温暖化は豪雨を生む一方で、乾燥化する地域も生むと言われている。ここ数年、気温上昇と乾燥によって、森林火災が世界各地で相次いでいるのだ。
今年7月23日、ギリシャのアテネ近郊マティ村などで大規模な森林火災が発生。「火炎放射器のような炎」(英BBC放送)が強風に煽られ、周辺の住宅を焼き尽くし、81人が死亡(7月26日統計)という大惨事に。北欧のスウェーデンでもほぼ全土で山火事が発生、建国史上最悪の災害となっている。
米国カリフォルニア州では、昨年末から今年1月にかけて東京23区の約1.8倍が焼き尽くされるという大規模な山火事が発生。現地と連絡を取り合っていた映画監督の増山麗奈さんは「約20万人が避難し、周辺の町がゴーストタウン化しました。現地の知人は『山全体が燃え盛る、地獄のような光景だった。大気汚染も凄まじかった』と言っています」と語る。
米国の科学者団体「憂慮する科学者同盟」は、「温暖化で山火事が増加した」と主張。「米国西部の山火事は’80年代半ばから’00年代にかけて増加、ほぼ4倍の頻度で発生し、6倍以上の面積を焼失させ、消火までにほぼ5倍の時間を要している」と指摘する。
シベリア南東部でも4月に大規模な火災が発生し、その煙は日本にまで飛来。北海道や東北地方の空を覆った。